新刊・近刊紹介 ~うたまくら318号より - 正絃社

新刊・近刊紹介 ~うたまくら318号より

新刊紹介

~八千代獅子に寄せて~
  千代の華 (既刊)  舞林紋呂 作詞    野村祐子 作曲
 
第31回国民文化祭・あいち2016
邦楽の祭典~愛知から未来へ響く伝統の調べ
オープニング記念作品

神社に置かれる「獅子」は、魔除けや瑞祥の象徴で百獣の王ライオンを象ったものですが、獅子舞などの題材を取り入れた舞踊、音曲は慶事の演奏に喜ばれ、「獅子」の名がつけられた曲を「獅子物」と呼んでいます。
この曲は、祝儀曲で代表的な「八千代獅子」に寄せて作詞された現代版の三絃地歌「千代の華」を主軸に、箏・十七絃・尺八を加えて華やかな合奏曲としたものです。「獅子物」にあやかり、「八千代獅子」「吾妻獅子」「越後獅子」の旋律の片鱗を随所に散りばめ、艶やかな高音箏のソロが合奏群を彩ります。
後歌の文頭5行には、祝意を表す趣向を凝らし、『お・め・で・と・う』を詠い込んでいます。
(2016年5月作曲)

【歌詞】
いつまでも 変わらぬ御代に
人の世に 絆深め 会いめぐり
待つ(松)の二晩(二葉) 
思いの丈(竹)
生め(梅)さくら(桜) 
南天(ナンテン)の雲 
福寿(福寿草)聞く(菊)

【お】 朧に霞む 夢の間に
【め】 めでたき縁 結ばれて 
【で】 出会い ふれあい 福爛漫
【と】 時を重ねて 共白髪
【う】 謳えや 舞えや 麗しき

千年萬年 過ぎ行き(雪)て 
さても めでたや 千代八千代

318chiyo

昨年の国民文化祭「邦楽の祭典」にての「千代の華」

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近刊予定

笹の露巡り  前原和比古 作詞   野村祐子 作曲

滋賀県「長栄座」公演にて発表の「滋賀の地酒祝い唄」より。前原和比古作詞による作曲。歌詞に合わせて、所縁ある多くの曲から抜粋した旋律が盛り込まれており、原曲を探るのも一興。滋賀県に因んで「しがのさけ」の文字が読み込まれている。     

(2015年作曲)

【歌詞】
やらやらめでたや、嬉しやな、
世の中に名物数々あれど、滋賀は米処酒どころ、
(し)四季折々に、美しき姿留めし湖国、誇れる宝数多あり。
(が)神の御代より磨きし業の、幾星霜と伝えし心、栄うる近江人の育む宝。
(の)呑めども尽きぬ、汲めど変わらぬ、葦の葉の、滋賀の地酒と申すなり。
(さ)笹呑め、酒呑め、ささよさらさら、笹の雫は、さっささらさら、呑めば心うきうきと、顔もほころび面白や。
(け)慶事祝儀の祝い酒。桜さくら花見酒、名月浮かべ月見酒。月夜もふけてほろ酔いの、差しつ差されつ雪見酒、酒は心の友なれば、ここに祝うて酒尽くし。
 尽きせぬ御代の祝い唄、歌、目出度かりける。

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「桜花三章」  野村祐子作曲
                
花盛り人も漕ぎ来ぬ
深き谷に波をぞ立つる春の山風(西行)
    
我が宿の花見がてらに来る人は
  ちりなむ後ぞこひしかるべき(凡河内躬恒)     

声絶えず鳴けやうぐひす 
ひととせにふたたびとだに来べき春かは(藤原興風)

桜に寄せる歌三首による箏独奏曲。花盛りに賑わう人々の歌、次にはその人々が去ったあとのわびしさ、吉沢検校「春の曲」にも歌われる、今を盛りと鳴く鶯を詠む歌を並べた作曲。
(2017年2月)

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うるわしき故郷 (仮題)  野村祐子編作曲

世界に広く親しまれている曲より、愛する人や故郷の景色を懐かしく思い出す歌、その土地に住む誇りを感じる歌を取り上げ、また、子どものころ庭に咲いていた白い花の思い出を題材にした野村祐子作「白い花に寄せて」を加えたメドレー。

アニーローリー(スコットランド民謡)、
浜辺の歌(成田為三作曲)、
さくら(日本古謡)、
安里屋ユンタ(沖縄民謡)、
白い花に寄せて(野村祐子作曲)、
遠き山に日は落ちて(ドボルザーク作曲)
(2017年5月)

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