幹部会便り ~うたまくら325号より - 正絃社

幹部会便り ~うたまくら325号より

幹部会便り

幹部会本部新年会に参加して   森 由紀美

 平成最後の新年1月13日、ホテルメルパルク名古屋にて正絃社幹部会の新年総会・懇親会が開催されました。

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気持ちの改まる新年総会

 私は今年で三回目の参加になりました。
 思い返してみると、三年前に初めて参加した時は、免状授与式で助教の免状を頂き、さらに合同部会研修発表で『愛と祈りの調べ』を演奏させていただきました。いつもの演奏会とはまた違う雰囲気でとても緊張しましたが、〈これからは幹部の仲間入りなんだ〉と、期待に胸が膨らんだことを覚えています。0502echi

「越後獅子」の演奏

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「幻想の森」の演奏


 今年の総会では、まず始めに永年開軒表彰、続いて昇格の方々の免状授与式。今年は、一社教室で一緒に切磋琢磨している三名の先輩が、師範免許のお許しを頂きました。先輩方が壇上に上がり、並んでお免状を手に持つ姿を見ることができて、自分の事のように嬉しく誇らしく感じました。そんな尊敬すべき先輩の背中を追いかけながら、私もさらに日々のお稽古や演奏会に一生懸命取り組んでいこうと思いました。

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永年開軒表彰の中岡美佐枝先生

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大師範昇格の皆さん

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師範昇格の先輩方

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助教の皆さん

  懇親パーティーでは美味しいお食事をいただきながら、先生方との楽しい交流もあり、祝賀演奏『桜花三章』は、祐子先生、峰山先生の美しい調べに心奪われたりと、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。

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野崎幹部会長のご挨拶

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祝賀演奏「桜花三章」

 そんな中でも私が密かに楽しみにしているのはゲームコーナーです。毎年、豪華景品をかけた白熱の戦いが行われています。今年はジャンケン大会でした。とてもシンプルなルールで、ジャンケンで最後まで勝ち残った人が、豪華景品を手にすることができるというもの。勝った人はもちろん、負けた人も笑顔で、みんながジャンケンを純粋に楽しんでいる様子が伺え、とても和やかな雰囲気でした。

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勝っても負けても楽しいジャンケン大会

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なごやかな先生方

 会場にいる人たちが、性別、年齢など関係なく、ひとつのことに夢中になり、心を通わせて楽しむことができる姿を見て、なんとなく「音楽」に通じるものを感じました。様々な垣根を越え、人の心を楽しませる音楽を目指したいと思いました。

0512mizuno 笑顔の水野利彦先生


 そして本年度は4月20日、21日(土、日)日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて「正絃社 春の公演」が行われます。
観客の皆様の心に響く感動的な舞台になるよう、私も尽力したいと思います。

(名古屋市・野崎緑門下・助教)

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関東部会から関東支部へ成長した40年の想い    藤井清美 

 平成31年1月19日(土)この日は寒中とは思えぬほどの暖かい日となり、ホテルグランドヒル市ヶ谷に於いては関東支部新年会が催されました。
 二代家元祐子先生の新年のお言葉に始まり、免状授与式、幹部総会、祝賀演奏は「月の船」「錦秋」「愛と祈りの調べ」「天女の舞」「桜花三章」、そして緊張もとれたところで楽しい懇親会と進行、最後は哲子先生のお言葉で閉められました。


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昇格者のみなさん

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祝賀演奏

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前列右・藤井清美新支部長

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楽しい懇親会

 今年の関東支部では役員改選の年で、哲子先生からは支部長のお役を打診され、自信がないと思いつつお引受けする気持ちを固めました。
 今年度の役員は次のとおりですので、よろしくお願いいたします。※

  支部長 :藤井清美
  書 記 :高木真奈美 上田麻里名
  会 計 :榎 阿礼 後藤亜也
  会計監査:稲田由美子

 思えば、祐子先生が、当時、虎ノ門にあった邦楽社の1室に教室を構えられたのは、私が千葉県我孫子市に移住したのとほぼ同じ、40数年前のことでした。
 先代家元・正峰先生から教室のことをお聞きし、時を置かずして夫と娘(現・樹本佳音里)と3人で教室へ伺いました。
 初めてお会いする祐子先生は、グレイのワンピース姿でお箏の前に座っておられ、私どもに気付かれると笑顔で近寄られ、挨拶して下さいました。何ともいえない可愛らしいお顔が印象的で、今でもはっきり覚えております。
 以来、入門の許可を頂き、娘とともに祐子先生にご指導して頂くこととなりました。
 正峰先生から、「早く正絃社の芸風に慣れて下さい。そして、何よりも人の和を大切に。」
というお手紙を頂いたのは、ついこの間のように思えます。
 全国的にお箏を習う方が今よりもずっと多かったように思える時代で、東京の教室も1~2年もすると会員がどんどん増えました。関東の会員だけでも行事を運営出来るようになりましたが、正峰先生は支部というにはまだ幼すぎると思われたのか、幹部会活動は「関東部会」という名で活動することになりました。
新年会担当者、合宿担当者、研修会担当者と分かれてお手伝いさせて頂き、演奏技術以外のことをたくさん学ぶことが出来たのは有難いことでした。
 また、指導者としての体力、精神力の大切さも家元ファミリーから感じ学べたような気が致します。
 数年後、そろそろ「関東支部」へ昇格ということになり、役員は、東京開校当時からずっと活動して来た先生方と順番に分けあって担当いたしました。私に支部長が廻って来たのは25年前、まだ若かった頃です。
虎ノ門教室から新橋教室、恵比寿教室、目黒教室と事務所は移動しましたが、どの教室にも想い出がいっぱいです。
 現在、東京目黒教室は祐子先生から哲子先生に引き継がれ、若い方が多くなっています。
私は高齢となりましたが、まだ余力の有るうちにもう一度お手伝いをさせて頂き、今度は若い方のパワーを頂きたいと思っております。
 本年7月6日~7日は、中伊豆ワイナリーヒルに於いての夏の合宿が決定しています。関東地区以外の方も、是非、ご参加下さいますようお待ちしております。 (幹部会関東支部長)

※本部・東北幹部会の役員は昨年通りで変更はありません。

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東北支部新年会に参加して    唐橋セツ子

 幹部会東北支部、今年の新年会は1月27日、昨年までとは会場を変え、仙台駅に近い「ホテルJALシティー仙台」で開催いたしました。
駅から会場のホテルの近くまで続くペデストリアンデッキには、前日に降った雪が残り、草履で歩くのは少々、恐い状況でした。
 全国的に猛威をふるうインフルエンザ、新年会の参加者にもその影響で、やむなく欠席となる方もいました。でも、集まった皆さんは、元気いっぱい。総会開始までかなり余裕のある時間に集合完了。晴れ着姿の皆さんが新年の挨拶を交し合い、華やかな雰囲気が会場に広がりました。
定刻に総会が始まり、まず始めにお家元のご挨拶をいただき、続いて表彰式に移りました。  
 今回は、やな田真子大師範が正絃社の教授歴30年を重ねられ、家元より「永年開軒表彰」を受けられました。いつもパワフルに活躍されている真子さん、おめでとうございます。

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永年開軒表彰のやな田真子さん(中央)

 哲子先生のご挨拶の後、本部からお越しいただいた幹部会会長・野崎緑先生にご挨拶をいただきました。
 野崎先生は、以前、正峰先生とご一緒にお出でになった東北の新年会の思い出をその日のハプニングも交えて楽しくお話しされて、皆が笑いに包まれました。そのお話に、天国の正峰先生の姿が思い浮かびましたが、きっと、正峰先生のお顔にもやさしい笑顔が浮かんだことでしょう。

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笑顔で勢ぞろい

 さて、総会の議事も滞りなく進み、次には尺八の郷家綾山、増子絢山両氏のご協力をいただく祝賀演奏に入りました。
 祝賀演奏は、昨年から輪番制の出演社中のほか、その曲を弾きたい人が自由に参加するという形態をとっています。演奏が始まる前には、空いているお琴に自然に誰かが座り、下合わせもなく合奏するという緊張感とともに、積極的に参加するという頼もしさも感じました。

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賑やかに祝賀演奏


 演奏の応援に、お家元、哲子先生、野崎先生にも入っていただくので、心強い思いで演奏できたと思います。先生方、ありがとうございました。
 じつは、総会がことのほか順調に早く終わったため祝賀演奏の時刻が早まり、尺八の方々は到着するやいなや、すぐに演奏していただくという慌ただしく申し訳ない状況になってしまいました。尺八を暖めている間もない演奏にもかかわらず、さすが東北尺八倶楽部の両氏は、素敵な音色をご披露してくださいました。
 そして、最後にお家元の新曲「桜花三章」の発表です。この曲も、お家元と尺八の郷家綾山さんとは下合わせの時間をとることができず、初めての合奏でしたが、私たちも初めて聞かせていただくので、真剣に耳を傾けました。箏と尺八、一対一の素晴らしい演奏に、最後までうっとりと聞き入りました。
 パーティーが始まりお楽しみのゲームです。参加者の名前を書き入れて選んでいくビンゴゲームでは、名前を選ばれた人は前に出て、自己紹介をしました。ほとんどの方が一言ずつ話されたので、全員が参加している雰囲気があり、とても和みました。毎年、このようにパーティー係の方たちは協力して、いろいろと工夫を凝らしたゲームを用意してくださり感謝いたします。楽しい新年会ですので来年も、多くの幹部会員の参加をお待ちしています。また、幹部会員でない方にはお稽古に励んで戴き、早く幹部会員のお仲間入りしていただきたくお待ちしています。
 今年の東北支部では、3月に個人レッスンと研修会、7月に合宿、11月に研修会を予定しています。東北各地から仙台市に集まっての研修会が多いので、仙台市内や近郊の会員の参加が増えるよう、皆さんに周りの方々への声掛けをお願いしたいと思います。
「お箏を弾くのが楽しい、もっといろんな曲を弾いてみたいと思えることが大事。」と、お家元がおっしゃったことを自分自身はもちろん、お弟子さんにも実感してもらえるように、直接、お家元の指導を受けられる研修会にどんどん参加しましょう。
 役員一同、本年度も楽しい活動ができるようお手伝いさせていただきますので、皆様のご協力をよろしくお願い致します。       (幹部会東北支部長)

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大師範に昇格して     稲垣佳代子

 この度は、大師範への昇格をお許しくださいまして、誠にありがとうございます。名古屋を離れて18年、長い子育て休眠期ののちに、ようやく教室を立ち上げて5年目となりました。
これまでのことを思い返すにつけ、しみじみと嬉しく有難く思います。とくにこの数年間の変化は大きいものでした。
・もう一度、自分を鍛え直そうとオーディションに挑戦したり、ご縁が重なって様々な演奏の機会をいただけるようになったこと。
・哲子先生のもとへ定期的に通えるようになり、
以前は苦手だった三絃の奥深さを知り、哲子先生のように弾けるようになりたい!と明確な目標ができたこと。
・教室の生徒さんが少しずつ増え、皆さん確実
に上達して、教室の発表会だけでなく、外部の演奏会にも社中として出られるようになったこと。
・布村聡子さんはじめ、音楽や教室のこと、演
奏のことなどを包むことなく話せたり、その 
人の演奏に刺激を受けたりする仲間を得られ
たこと。 
 こうしたことは、ひとりではできないことですので、改めて有難く思います。お陰様で、学びたいこともやりたいことも、尽きることがありません。今回の昇格は「ゴール」ではなく、「これを励みに、益々、精進しなさい」ということだと思います。自分の演奏や指導の技量を高め、生徒さんたちと共に箏を弾く喜びを、分かち合えるような大師範になりたいと思います。

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新年会にて三絃演奏の稲垣佳代子さん

 時には、家事や家族とのやりくりにジタバタすることもありますが、上手くバランスがとれるよう、また「自分のやりたいことなのだから、やらせてもらって当然」と思わず、夫や子どもたちとも笑顔で両立していけたら幸せです。
 そしていつか、つくばで祐子先生方をお招きして演奏会ができるまでになりたいです。
 どうぞ、これからもご指導よろしくお願いいたします。 (つくば市・直門)

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東北支部・秋の研修会に参加して  滝澤 良恵

 ⒓月9日、仙台市内の日立システムズホールにて、幹部会東北支部研修会がありました。暖かい季節であれば、隣接する台原森林公園を散策したいところですが、あいにく季節は冬、しかも前夜より雪がちらつくような寒さとなり、家に籠りたくなるような気持を抑えつつ、会場へと向かいました。
 会場に入るとお家元と哲子先生の笑顔に迎えられ、研修が始まるという緊張感とともに、今日も一日頑張るぞ、という活力を頂きました。
 今回の研修曲は、「雅びの調べ」「万葉越中の春」「六段の調べ(同調子)」「編曲小鍛冶」「砂丘の詩」「新高砂」の六曲で、その中から希望曲を2~3曲選んで、交替で合奏するという形式。尺八の方々も加わり、迫力ある合奏となりました。始めに、お家元より
「みなさん、上手に弾きましょう。」
と言われました。〝上手に見えるように弾くことにより、それを見ていた人がお箏に魅力を感じて、習ってみたいと思うかもしれない〟ように、ということだそうです。
 もし、私の演奏を見て、お箏を習ってみたいと思う人がいたらどんなに素敵でしょう! 
 そんなことを思いながら周りを見渡すと、先生方のきれいな姿勢や手元が目に入り、これが上手に弾くことなのか、と実感するとともに、私が上手に弾くためには、まずは日々の練習の積み重ねにより、自分の演奏に自信を持つことが一番だと感じられました。

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広いホールにての合奏研修

 午後にはお家元と哲子先生、尺八の渋谷先生による「砂丘の詩」の特別演奏もあり、皆で食い入るように手元を見つめるとともに、素晴らしい音色に魅了されました。その後「砂丘の詩」を合奏したのですが、思うように弾けず、改めてこの曲の難しさを実感しました。
 忙しさを理由にとかく怠けてしまう練習ですが、研修会に参加し、皆さんの素晴らしい演奏に触れると、練習への意欲が湧いてきます。
 今日も、明日への活力を頂き、研修会は終わりました。次の研修会までに多少なりとも「上手に弾ける」よう頑張ってみようと思います。
(塩釜市・小薮弘子門下)

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