幹部会便り ~うたまくら327号より - 正絃社

幹部会便り ~うたまくら327号より

幹部会便り

跳んで、弾いて、令和初の楽しい夏合宿          宮野 結

 今年も毎年恒例の、東北支部夏合宿の時季がやってきました。
 今回は、小学校5年生の愛(まな)ちゃん(2回目の参加)を筆頭に3人の子供たちと眞子先生と、くりこま高原に行くことができました。
 青森を出発する前から元気いっぱいの子供たちはワクワク、大人はソワソワで、しっかりお箏のお勉強に集中できるかしら…、と思っていましたが、丸2日間、私も子供たちも、お箏の基礎から合奏まで、勉強することができました。  
 休憩時間には、快晴の下、みんなで〝大縄とび〟をし、足がガクガクになりながらも、一致団結(!?)することができました。
 前日の大縄とび団結力の効果か(?!)2日目の合奏は大成功!
 子供たちの合奏を聴いて、子供たちの成長と集中力に感動しつつ、思い返せば、私もこのくらいの頃から、この夏の合宿に参加していたなぁと、懐かしい気持ちになりました。

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元気のよい子供たち


 こうして毎年、お家元の先生方、各地の先生方、正絃社の方々と楽しくお稽古ができて、本当に恵まれた環境にいるなと感謝の気持ちでいっぱいです。来年も楽しみに日々のお稽古に励みたいと思います。
 そして、参加した子供たちからの感想が届いているので、お届けします。
(三沢市・やな田真子門下)

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◎子どもたちの感想
くりこま高原の合宿に行ってきました!
1日目の休憩時間で、哲子先生や倫子先生たちと大繩とびをしました。たくさんやったので大繩の合宿みたいになりました。
2日目は「古今の調べ」の二箏をやりました。むずかしかったけど、倫子先生が指導してくださったおかげで、むずかしかったところもできるようになりました。
        渡辺 愛(まな)…5年生

合宿に行ってきました!
1日目も休けい時間で大なわとびをしたあと、売店でアイスを食べました。
2日目は、「古今の調べ」の発表をしました。ともこ先生に「上手だったね」とほめられたので、うれしかったです。とても楽しかったので、また4年生になっても行きたいです。
          福田 さきな…3年生

きょうのたのしかったことは、おことをひくことです。どうしてかというと、おことをひくのがたのしいからです。つぎのとしもがんばりたいです。      奥寺 はるか…1年生

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子どもたちのにこやかな合奏


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合宿初参加     菅野 晴香

 去る7月20日、21日の幹部会東北支部主催の研修合宿に参加しました。
 参加を決めたのは、お箏を習いだしてもうすぐ一年を迎える新緑のころ。始めた当時は、
「この糸は、突然、切れたりしないのか?」
と、絃に触るのもおっかなびっくりだったのが、回を重ねて、ようやく調絃もスムーズにできるようになってきたころです。
とはいえ、教室以外での演奏は、社中の方々との間で一度きり。レッスンで三時間も続けて弾けば、使いすぎた頭がぼんやりしてきて、指先ももつれるような始末。そんな折に合宿のお誘いを頂き、目標を決めてやり切ることで、技術面でも精神面でもステップアップができるかもしれない、という思いで参加を決意しました。
 当日は、すべて初めての体験で、社中の方々とは選択した曲がほとんど違ったため、一人でおつかいに行く子供になったような新鮮な気持ちで、毎回、研修室の扉をくぐりました。
そして、いざレッスンが始まれば、知らない人に演奏を聞かれる……、なんて緊張もどこへやら、ついていくのに必死で、あっという間。
でも、いつもは二、三人で合奏している曲のボリュームがぐんと上がり、メリハリがつき、曲としての命をもったかのように、私の心に届きます。
「飛騨の里」を最初に全員で演奏したとき、少し泣いてしまいました。また、間近で見た先生方の演奏の音と、手の美しさが頭に焼き付いていて、時間がたった今でも思い出します。
「お箏はじめコース」を選択していたこともあって、ご指導頂いた内容は、繰り返し聞いて体に覚えこませたいような、基礎の大事な部分が多くあり、それを踏まえて数を重ねた演奏の中、いくつも新しい気づきがありました。
「お箏はじめ」の総まとめの「古今の調べ」の発表は、緊張しましたが、落ち着いて弾き切ることができました。周りの年若くも堂々とした演奏者たちに、奮い立たされたおかげです。
 あっという間の二日間でしたが、合宿前に比べれば、魔法にかかったように、お箏との距離が近くなったと感じます。たくさんの方々が優しく話しかけてくださり、
「皆さん、この明るい笑顔で力を合わせて、毎年の合宿を成功させているんだ!」
と思うと、今回、その一員となれたことをとても幸せに思いました。
 運営の方々、参加された方々、この度は本当にありがとうございました。
(東仙台教室・小林幸子門下)

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社中の皆さんと菅野さん(左端)

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尺八合奏研修会に参加して  林 明里

 前日まで連日活発に活動していた秋雨前線が心配でしたが、なんとかお天気にも恵まれて、尺八との合奏研修会の日を迎えることができました。
 合奏曲目は「わだつみ」「千鳥」「幻想曲千鳥」「月夜祭」「夏霖」「きらめく湖から」。いろいろな編成の曲を、尺八を入れたフルパートで合奏し、祐子先生や倫子先生からご指導いただけるので、「絶対に勉強になる!」と、楽しみにしていました。今回はさらに、峰山先生の予想外の参加で、皆、大喜び。
「わだつみ」の合奏は初めてでしたが、祐子先生の指導で、大海原の情景をより強く感じることができました。秀子先生からは、曲の解説や初代家元正峰先生の作曲にまつわる貴重なお話を聞かせていただくことができました。
「千鳥」「幻想曲千鳥」では、古典とアレンジされた曲の違いを弾き比べ。
倫子先生の「月夜祭」「夏霖」の指導では、先生の楽しいお話に笑い声が絶えませんでした。
「きらめく湖から」は一段とまとまった合奏で、曲のフィナーレが研修会の締めくくりにピッタリな綺麗な曲でした。
 一日たっぷりといろいろな曲を弾き、昼食は美味しいお弁当をいただき、普段、一緒に練習出来ない方々と交流して、大変有意義に過ごすことができました。
 合奏会場は溢れんばかりのいっぱいの人で、演奏は交代制。聴くだけの方も、楽譜を広げて祐子先生や倫子先生の解説を書き込む姿。改めて、正絃社は意欲的な人たちが多いなと感じました。

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大盛況の尺八合奏会


 このように私たちが楽しく勉強できる合奏の場を設けてくださった祐子先生、倫子先生、峰山先生、役員の先生方、本当にありがとうございました。ぜひ合奏会第2弾を願いします!
 合奏する楽しみを、もっと、もっと、味わえるように、私もこれからも日々の練習を頑張り続けたいと思います。
(名古屋市・野崎緑門下・准師範)

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いと楽しかりき研修会      大澤 みどり
 
 私事ですが、今年の年明けは最悪でした。元旦の初詣では、お賽銭を入れる姿勢のまま、ぎっくり腰に。さらに、楽しみにしていた正絃社の新年会は、前日にインフルエンザ!「今頃、みんなで美味しいもの、食べてるのよね!」と思いながら、腰痛と戦っておりました。
 その後、まだまだ押し寄せた他の不運をも打破する為に、「正絃社春の公演」に全力を注ぎ、何とかちょっと楽しい日々になった頃、この9月1日の研修会の話を聞きました。
「尺八との合奏?これって楽しいかも」と。曲が決まると、研修会目指してすべての曲の練習を始めました。
 いや~。お稽古は楽しかったです。昔習った曲は、久しぶりでワクワクします。古典の『千鳥の曲』を歌うのは何十年ぶりでしょうか。歌えるのかどうか不安でしたが、これが意外と上手にうたえました。これは他の曲を歌ってきたことで、知らず知らずのうちに上達できていたのか、はたまた四十年前のお稽古が良かったのか。
『わだつみ』は昔演奏会に出演したので、甘くみていました。しかし、第2箏を練習しようとした時、調絃に問題が発生。第一絃の音が下がりません。〈第1箏より一オクターブ下で合わせる〉というのを、これまた久しぶりに思いだしました。
 後日、楽器を研修会用に準備していた時、
「『わだつみ』があるから、小柱はたくさん持って行きましょう」という言葉に、勿論、大きくうなずきました。一つ勉強しなおすと、またそこから広がって理解が深まるものですね。たまには、昔習った曲を改めてお稽古しなおすのも大事なことだと思いました。
 水野先生の二曲、『月夜祭』と『夏霖』は、大きい声では言えませんが「読めな~い。なんて読むの?」から始まりました。そして楽譜を確認して「三絃がある~」と。今まで水野先生の曲で三絃をひかせていただいた事がなく、ちょっとビックリです。
 しかし、いざ合奏してみると楽しいこと、面白いこと。軽妙なテンポに合わせて三絃を弾くのは、ノリノリで演奏しているギタリストのような…。「つい半年前にひいていた『越後獅子』とは、全く違うわ~」と、なおさら面白く感じました。 
 約半年の時間をかけ、全六曲お稽古して、研修会にのぞんだのですが、悲しいかな、やはりまた何時もの所を間違えてしまい、ガッカリ。それでも、楽しいやら少し緊張するやら、あっという間の一日でした。
 そして初めに直感したとおり、尺八との合奏は〈楽しい〉の一言でした。果たしてうまく合わせられるのか、ちょっとハラハラし、初めて会った尺八の方達と合わすのも、充実した一瞬でした。
 そしてそんな気持ちは、私だけではなく他の参加者からも伝わってきました。さらにありがたいことに、尺八の参加者から「またこんな会に参加したい」との声! これは本当にありがたく嬉しい賛辞です。

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 尺八の方々を囲んで合奏

 広々とした空間で、思いっきりの合奏。
このような機会を与えていただいたことに感謝感謝です。
「また、来年もやりたいね」という言葉を交わしながらの解散となり、私も「来年はもっと楽しくなるかも」と新年からの不幸を払拭できた気分です。本当に良き日、いと楽しかりき、の一日でした。
(名古屋市・直門・師範)
 

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研修会ご案内

〇本部 
 今年の研修は、6月の琴糸工場見学、9月の尺八合奏会を行いました。
絹糸工場では、普段、何気なく使っている三絃の絹糸ですが、工場を見学し、お蚕様の糸取りから製品になるまで、いくつもの製造工程に携わる方々のご労苦に、あらためて感謝いたしました。
来年度の研修では、邦楽に纏わるお話の「~なんたって邦楽~講演会」と、「尺八合奏会」を予定しています。楽しく勉強して、会員の輪を広げたいと思います。お誘い合わせてのご参加をお待ちしております。

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