近刊ご案内~うたまくら329号より  - 正絃社

近刊ご案内~うたまくら329号より

近刊ご案内

 ただ今、編集中の新刊2冊、「千樹万葉」「編曲長唄 花見踊」をご紹介します。
発刊までしばらくお待ちください。

 

千樹万葉     野村正峰作曲
編成:箏(高音)2部 十七絃 尺八
              
梧桐(きり)の日本琴一面 如何にあらん 

日の時にかも声知らむ 人の膝の上我が枕かむ 

言問はね樹にはありともうるわしき 君が手慣の琴にしあるべし      (大伴旅人)

 

言問はぬ木にはありとも我が背子が 手馴れの御琴 地に置かめやも    (藤原房前)

 

 大伴旅人は、当時、九州(筑紫)の太宰府長官で、筑前の国守として、同じく九州にいた山上憶良とともに筑紫歌壇を展開した歌人。かつての名門大伴氏は、政治的には没落の途上にあり、その影響が彼の歌風を文人趣味、現実逃避的なものにしたといわれる。
 この歌は夢の中という虚構の世界を歌ったもの~壱岐の山中に産した桐で作られた琴が、旅人の夢の中で女人の琴の精となって歌問答をする~琴は歌とともに都の中衛府の大将、藤原房前に贈られ、房前からは、そのお礼の歌が旅人に贈られた。
 琴を題材にした歌に惹かれ、琴の精の歌問答を想像した野村正峰遺作の器楽合奏曲。(1986(昭和61)年3月作曲)

 

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編曲長唄  花見踊  編作曲 野村祐子                   
編成:三絃  箏(高低)2部  十七絃 尺八  

 歌舞伎舞踊で有名な「花見踊」(本名題は「元禄風花見踊」で、竹柴瓢助(たけしばひょうすけ)作詞、3世杵屋(きねや)正治郎作曲により1878年(明治11)初演)元禄時代(1688~1704)の上野の山の花見に集まり踊る、絢爛豪華なさまざまな風俗を表した華やかな曲で、最も広く知られている長唄のひとつ。
 このなかよりよく知られた旋律の華やかな部分を抜粋し、三絃・箏・十七絃・尺八による五重奏の編成で各々の楽器の独奏部を加え、器楽合奏を楽しめるように編曲。(2020年3月)

 

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