幹部会便り ~うたまくら329号より  - 正絃社

幹部会便り ~うたまくら329号より

幹部会便り

 令和初の新年、幹部会では恒例の新年会を本部(名古屋メルパルク)、関東支部(グランドヒル市ヶ谷)、東北支部(ホテルJAL CITY仙台)にて開催。各地とも幹部会総会、免状授与式に続き、研修発表の祝賀演奏、懇親会の楽しいひとときに、新たな年を祝いました。
 総会議事では昨年の行事報告、今年の行事予定などが発表されました。幹部会のいっそうの親睦と会員拡大を願い、今年の新たな研修への意欲を高めて、よい一年を過ごせますようにと締めくくりました。

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永年開軒表彰の荒木美子さん

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大師範昇格の橘篤子さん

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助教昇格者の皆さん

 

なお、今年度の幹部会役員は、次のとおりです。ご意見、ご要望などお気軽にお声をおかけください。

◎本 部 
  会 長: 野崎 緑
  副会長: 伊藤 洋子  鈴川 悦代 
  書 記: 荒木 美子  石原未祐己 
  会 計: 古川 久子  篠原裕生弓
  幹 事: 山田 明美  佐藤美代子
       大澤みどり  佐野 亜子 
       水野 優子
 会計監査: 野中みどり  河北 裕子 

◎関東支部 
  支部長: 藤井 清美
  書 記: 高木真奈美  上田麻里名
  会 計: 榎  阿礼  後藤 亜也
 会計監査: 稲田由美子

◎東北支部 
  支部長: やな田 真子
 副支部長: 佐々木きわ子
  書 記: 阿部 久子  小林 幸子 
  会 計: 山本 祐子  小野寺ルミ
       竹田 紀子
 会計監査: 大森幾久子

 

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令和二年の幹部会
~共に歩める仲間と出会うために~    栗山美智子
 
 昨年の本部幹部会は、お蚕の糸取り工房の見学をメインに、木之本にある楽器の糸のメーカー《丸三ハシモト株式会社》の工場を訪問、糸の出来るまでの細かい手作業をまじかに見学。また当地でご活躍の加賀井弘美先生と御社中の皆さま方からの暖かいおもてなしをうけ、奥琵琶湖の雄大な景色に幾多の歴史に思いを馳せて「観音の里」の舞台となった渡岸寺を訪ねるなど、盛り沢山のバスツアーを六月に行いました。
 そして九月には、初めての試みで尺八の先生方との合奏会、野村峰山先生はじめ琴古流の先生方も参加していただき、一日があっという間にすぎるほど箏と尺八の音色に満たされた濃密な時間を過ごしました。
クラシック音楽の演奏家ピアニストの鈴木美奈子さんは、インタビューで『絵画も文学も映像作品も、作者と受け手が直接向き合うけれど、クラシック音楽には作曲者と聴き手の間に演奏者の存在がある。演奏というのは「作品との対話の中から、こんなことを感じました。いかがでしょうか」と聴き手に提示するようなもの。弾き手の風味が強すぎても良いものになるとはかぎらない。』と話していました。
 なるほどと聴いていましたが、合奏会に身をおいて、こうして作曲者ご自身から直接に指導していただくことの大切さを改めて感じました。
 令和二年の今年は、好評だった合奏会を音楽プラザで九月に開催予定です。聴いて良し、弾いて良しの大合奏会に、是非ご参加ください。
 そしてコロナウイルス対策のために来年に延期となりましたが、今池ガスビルにて箏曲家・日本音楽史研究の釣谷真弓先生の講演会が決定しております。
「三百五十六席を有するコンサートホールでの邦楽の講演会って何?」と思われるかたに、その奥深さ、面白さをお伝えするために釣谷先生の著書「なんてったって邦楽」からほんの少しだけ紹介させていだきます。

≪賢順に、玄恕と法水という弟子がいた。
 あるとき法水は兄弟子、玄恕の代わりに上洛して、藪大納言という人の前で演奏した。しかしうまく演奏できず、そのことを恥じて関東に下り、江戸で琴糸商になったと伝えられる。
 どの程度の失敗だったかはわからないが、不満足な演奏をするたびにやめていたら、私など何回転職しなければならないかわからない。たぶん、新しい筑紫流箏曲が都の貴族には受け入れられなかったのではないだろうか。
 しかし、それが箏曲史にとって大きな意味をもつことになる。江戸で法水と八橋検校が出会うのである。》

 そんな展開があったのかと何をいまさらと笑われそうですが、転職の話といい、法水と八橋検校の出会いといい興味津津。やっぱり「なんてったって邦楽」です。
こちらも千載一遇の機会、是非みなさまでお出かけ下さいませ。
 幹部会会長・野崎緑先生の言葉に、
「長く厳しい芸道修行のなかで、幹部会の行事がともに励まし歩める仲間と出会うきっかけの場になってほしい」と。
 令和二年、新たな出会いと感動の幕は上がり始めたばかりです。今年もまた、皆様とともに勉強できることを楽しみにしております。(前幹部会副会長)

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本部幹部会新旧役員

 

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新年会にて心新たに    上田麻里名

2020年1月12日、メルパルク名古屋で開催された正絃社の新年会に参加させていただきました。

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新年会での演奏

 私が箏を習い始めてちょうど二十年目の節目の年の始まりに、正絃社本部での新年会に出席することができたことを、とても嬉しく思います。
二十年前の小学1年生の時に、従妹が習っていた「箏」という楽器を初めて目にして、なぜか、どうしても「箏」に触ってみたいという気持ちが大きくふくらみ、正絃社の門を叩きました。
 あの日から、小学校~中学校~高校~大学と時は過ぎ、社会人となった今も箏は、私の人生の伴侶のような存在です。毎日一緒であり、辛い時も苦しい時も、楽しい時も幸せな時も、いつも共に寄り添い、切磋琢磨し、青春を過ごしてきました。
 大学卒業後は、「春の公演」、「講習会」、「国民文化祭」など、たくさんの行事に参加させていただけるようになりました。人見知りの激しい性格の私ですが、正絃社会員の皆様はとても明るく、親切にしてくださり、毎回、楽しい会話がはずみます。演奏だけでなく、一緒に準備やお手伝いをしている時も、とても楽しいです。 

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准師範紹介の右端・上田麻里名さん


 以前は学業優先ということもあり、知り合いも少なく、ひとりで参加する行事への不安から、新年会に参加することは、ほとんどありませんでした。でも、この二十年目の節目の新年会に参加できたことによって、これからの私の箏曲人生の、新しい第一歩を踏み出すことができたように感じました。
 二十年、ずっと優しくご指導くださいました家元はじめ、先輩諸先生方に心より感謝申し上げます。
 これからもより一層の精進を重ねてまいる所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。    
(東京都・直門・准師範)

 

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正絃社幹部会関東支部 新年会に参加して  稲熊敦子

 冷たい小雨降る令和2年1月18日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で関東支部の新年会が開催されました。ホテルの中はとても華やかな雰囲気で、皆様のお着物姿と相まって新春ならではの晴れやかな気持ちとなりました。
 新年会はお家元、哲子先生のご挨拶から始まり、幹部会関東支部長・藤井清美先生はじめ幹事の皆様のお働きにより教授会、免状授与式、幹部会総会と、つつがなく進行していきました。私は今回、助教の免許状をいただきました。師範となられた高津戸恵美子先生、准師範となられた大坊道子先生とともに壇上にて、お家元からお免状をいただいたことは、何より大きな喜びの思い出となりました。

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助教免許状を受ける稲熊さん

 続く祝賀演奏会の曲目は、次の通りです。
一「近江夢紀行」藤井清美先生社中
二「春の海」  鴨村弘子先生社中
三「初春の調べ」木村美枝子先生・川口正絃社
四「楊柳の曲」 むさし野会
五「春の歳時記」祐子先生 哲子先生と目黒教室
尺八は峰山先生、曽我哲山先生、新海遊山先生、秦瓢山先生が演奏してくださいました。
サロンのような近い距離感の中の演奏は、緊張感がありとても勉強になりました。

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「近江夢紀行」

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尺八の先生方

 続いて、テーブルセッティングされたお食事会場に移動して、美味しいフランス料理をいただきながらの懇親会です。司会の方たちの楽しい進行の中、ビンゴゲームのテーマは「月がつく言葉」、高額景品の入れ歯洗浄機にも、皆様、大いに盛り上がりました。
 そんな中、お家元がご挨拶の中でお話しくださったお言葉が、非常に心に響きました。
「演奏することは、まず自分が楽しく、そして上手に弾けると嬉しくなります。そのために頑張って練習することは大切ですが、これからはさらに、聴いてくれる人たちが感動してくれる、自分の演奏で気持ちよくなってくれるように、よりよい音楽を奏でることを目指しましょう。」
というお言葉でした。私も少しでも、このような演奏ができるよう、日々のお稽古に励んでいきたいと思いました。
 愛知県でお箏を始めましたときに、正絃社にご縁を持てたことは、とても幸運だったと思います。現在、目黒教室で根気強く、楽しく教えてくださる哲子先生、今までお世話になった多くの先生方、会員の皆様方、家族にも感謝しながら、しっかりと精進して参りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(千葉市・直門・助教)

 

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幹部会東北支部 2020年の幕開け 古川 靖子

 2020年1月26日㈰ホテルJALCITYホテル仙台にて、関東は朝から雪模様のこの日、東北の地仙台は全く雪は無く、お日さまがホテルのロビーで祝賀演奏の出番を待つ尺八の先生方を照らしておりました。渋谷敲山先生、郷家綾山先生、増子絢山先生、いつもありがとうございます。  
 教授会・幹部会総会では、逼迫した経済状況の中、ご厚意で備品を置かせていただいている泉精子さんへの感謝など滞りなく済みました。 
 そして、役員改選では任期2年のところ、5年も続けていただきました支部長の交代がありました。唐橋セツ子さん、目に見えないご苦労があったと思います。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。  
 新支部長は、やな田真子さんです。その他役員も未来をみすえ、誰にでも交代できますようにと増員し、新戦力(新鮮力)で2020年の幕開けです。微力ながら私も、サポート軍団にまぜていただきます。

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昨年の新年会より後列右端・古川靖子さん


 幹部会東北支部は、北海道、新潟含め6県を範囲としています。数年前、山形三曲演奏会にお家元祐子先生と峰山先生がゲスト出演なさったときには、これから、「山形も!」と一喜一憂したものでしたが、2020年現在、何とも残念ながら山形からの参加はありません。どうしたものか、尺八の先生を手掛かりに何かが進めばよいのですが、範囲拡大計画は神頼みのままとなっております。
 東北での今年の行事は、すでにほぼ決まっております。2011年の大震災後、被災地応援コンサート以来、東北正絃社の演奏会は開催が途絶えておりましたが、ようやく再開へ向けて動き出しました。今秋にはミニ演奏会を模した研修会開催のお知らせを、お届けすることができると思います。幹部会員の方だけでなく、一般の方々にお越しいただく機会ですので、楽しみでもありますが演奏舞台を想像しますと、今からもう緊張が走ります。
 会員の皆様と心ひとつに結ばれた演奏ができましたら幸いに思います。(仙台市・直門・大師範)

 

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幹部会東北支部 新年会に参加して 佐藤 富美子       

 和楽器の音色、時に流れる川のような、また時に険しい山のような箏の音色に魅かれ、「自分でも弾けるようになれれば」という思いから教室に通い始めました。はじめは、「趣味として楽しめたらいいな」という気持ちでしたが、多くの演奏会に参加するようになりました。
 初めての演奏会は緊張しましたが、何とか無事に終え、演奏後の充実感は今でも忘れられません。そして、もっと多くの演奏会に参加してみたいという気持ちが強くなりました。
 その後も練習に励み、少しずつではありますが難しい曲も弾けるようになり、多くの演奏会や研修会にも参加し、自己研鑽に努めてきました。常に感じたことは「もっと上手に弾けるようになりたい」という気持ちでした。
 初心者の私がここまで続けてこられたのは、この気持ちと小薮先生のご指導、さらに私に多くの刺激や感動を与えてくれた多くの方々のすばらしい演奏のおかげです。
 今までは、人から感動を与えられる側でしたが、これからは「私自身が人に感動を与えられるような存在になりたい」という思いもあります。まだまだその目標を叶えるまでには遠い道のりではありますが、積極的に学んだことを実践して、目標に少しでも近づければという気持ちです。
 今回、ホテルJALCITY仙台で催された「幹部会東北支部新年会」に、初めて参加させていただき、身が引き締まる思いでした。お箏を始めたときには、想像もできないほどのことです。今でも演奏の際には緊張しますが、この緊張感を持ちながらも演奏を楽しむことができるように、日々、課題を設定して練習に励み、自信をつけられるように努力していきたいと、新たに心に誓いました。
 日本語には外国語にない素敵な言葉があり、和楽器はその美しさを表現できるすばらしい楽器だと思います。お家元や哲子先生の演奏をはじめ、他の方々の演奏を聴かせていただき、改めて箏のすばらしさを実感しました。
 今後も、もっと上手に弾けるよう、お稽古に精進してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
(塩釜市・小薮弘子門下・助教)

 

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幹部会研修会ご案内

〇本部 
 昨年の研修では、6月の琴糸工場見学、9月の尺八合奏会を行い、どちらも充実した研修で好評を得ました。
 今年の研修では6月に、邦楽研究家の釣谷真弓先生をお招きして、~なんてったって邦楽~講演会を用意しておりましたが、コロナウイルス対策により来年に延期いたします。
 正絃社作品の魅力は尺八が活躍する合奏です。9月には昨年好評の「尺八合奏会」で、尺八との合奏を楽しみながら音感、リズム感を養い、音楽を愛する会員の輪を広げたいと思います。

・尺八合奏会 
  日 時 2020年9月21日(月・祝)
  会 場 音楽プラザ・大リハーサル室
  講 師 野村祐子ほか
  研修曲 検討中

〇関東支部
・夏期合宿中止
 伊豆ワイナリーでの充実した合奏が好評につき、今回も同会場にて7月11・12日(土・日)の合宿を予定しておりましたが、コロナウイルス対策により、中止を決定しました。
 現在のところ、秋には品川健康センターでの合奏研修会を予定しており、お馴染みの「正絃社尺八倶楽部」の皆様のご協力を得て、気楽に合奏を楽しみながら、より充実した研修を目指してまいります。

 ・秋の合奏研修会
  日 時 令和2年11月7日(土)
  会 場 品川健康センター
  講 師 野村祐子・哲子先生

〇東北支部
・夏期合宿中止
 7月18・19日(土・日)、恒例の夏合宿(くりこま高原駅前・エポカ21)を予定しておりましたが、コロナウイルス対策により、中止を決定しました。
 現在のところ、次の合奏研修会を予定しております。楽しい合奏で、幹部会員だけでなく幅広い会員の皆さまにご参加いただき、親睦の輪を広げたいと思いますが、状況により変更させていただく可能性もありますので、ご了承お願いいたします。

・合奏研修会
  日 時 令和2年9月6日(日)
  会 場 日立システムズホール仙台
     (青少年文化センター)   

・秋の研修会
  日 時 令和2年11月15日(日)
  会 場 検討中
  講 師 野村祐子・哲子先生 

●詳細は、各支部より別途お知らせします。

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