各地の活躍 ~うたまくら333号より - 正絃社

各地の活躍 ~うたまくら333号より

各地の活躍

「名古屋城天守物語」公演を終えて             佐野亜子

 令和2年12月12日(土)13日(日)、名古屋市芸術創造センターにて開催された、創作舞踊劇「名古屋城天守物語~黄金渦巻く姫君たちの
ミステリーロマン~」は、名古屋で活躍する多ジャンルのメンバーによるコラボレーションによる創作舞踊劇でした。
 流派の垣根を越えた六流派の日本舞踊家、バレエダンサー、そして演劇の方々により、名古屋城の金の鯱や本丸の四隅を囲む隅櫓を擬人化し繰り広げられるミステリーロマンです。邦楽で構成される音楽も、常磐津、長唄、箏曲、尺八、鳴物の共演で、この公演のための創作曲は十曲に及びました。
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鳴物・常磐津・長唄の皆さん
 

 これは、振り返れば二年程前になりますが、2019年春、日本舞踊の五條園美先生が立ち上げられた企画です。脚本と作詞、演出にはNHKプロデューサーとして大河ドラマの演出などをされていた伊豫田静弘氏が、綿密な舞台構成を組み立てられていました。この芸術集団を《創の会》と命名され、その年の10月に千種文化小劇場「ちくさ座」にて、「《創の会》旗揚げ公演」が行われました。「名古屋城天守物語」のプレ公演です。
 このプレ公演の折に私は、のちの本公演で共演することになる方々との創作曲「尾張名古屋は城でもつ」に出会いました。
 実は楽譜を手にしたのは、旗揚げ公演の2日前! 常磐津三味線演奏家の常磐津綱男先生が作曲された曲に、急遽、祐子先生が箏と十七絃の手をつけてくださいました。軽快なテンポの三味線曲に華やかな箏の相性がよく、合奏がとても楽しくて、楽しくて・・・。一年後の本公演で、またこの曲を演奏できたらという思いが芽生えましたが、各方面でご活躍の皆様の芸の素晴らしさに圧倒されるばかりでした。
制作の先生方は、「ジャンルや流派を越えたプロジェクトは、乗り越える壁も大きいものではあるが、本公演に向けて、まずは順調な船出」と、おっしゃっていました。
 そして、思いもかけぬ大きなコロナ禍という壁が襲ってきました。多くの公演が中止や延期となる中、このプロジェクトも・・・、と心配していましたが、私たちの及ばぬところではリモートやオンラインによる苦心の打合せが続けられていました。
 五條先生を中心とする、携わった方々の劇場文化への熱い思いが開催に繋がったといっても過言ではありません。コロナ禍のこういうときだからこそ、舞台芸術を失くしてはいけない、という信念・・・、おひとりおひとりの考えは測れませんが、公演開催が決断されてからは、出演者の何方も迷いなく、公演に向けて最善を尽くすべく努力されていました。
 私たち正絃社演奏チームは、主演の金鯱姫の舞踊伴奏曲として「炎の舞」と「きたぐに」の演奏と、祐子先生が手付けされた常磐津、長唄の曲。打ち合わせするごとに手付け曲の数が増し、コロナ禍で少なくなる練習の回数には反比例、どうなることかと胸のなかは穏やかではありませんでした。
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鯱姫様役の工藤寿々弥先生を囲んで

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いらか役のいのこ福代さんと丑寅姫役の五條園千代さん

 常磐津、長唄は同じ三味線音楽でありながら、表意の違う文化で楽譜の表記も異なり、祐子先生は楽譜翻訳〔暗号解読〕に苦労されたと笑っていらっしゃいました。いつも私たちが楽譜を頂いて、「さぁ、お稽古!」と、スタートする地点の前段階を知り、改めまして(先生いつも素敵な作品を、ありがとうございます。)感謝いたします。
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長唄譜と常磐津譜

 その後も、曲中の〈シメ加減〉(私たちが曲中で演奏速度を「ゆるめる」ことを長唄などでは「シメル」と表現されます)の違いや、間合いの取り方、音程の作り方の違いなどに戸惑いましたが・・・、ジャンルの違う邦楽に出会ったことは、たいへん勉強になりました。リハーサル回数が少なくなり不安でしたが、本番に備える自宅練習に励みました。
 私が本公演のリハーサルに参加したのは、コロナ感染が少し落ち着き「withコロナ!」と言われている頃でした。とはいえ、ディスタンスに注意し、皆さんにお会いしても最低限のご挨拶。会話を慎むということですが、常に三つ指をついてご挨拶される日本舞踊の方々には、舞踊界でのしきたりとはいえ、相手への敬意を表す挨拶の大切さを感じました。本番当日まで、マスクでお顔の半分しか存じ上げない方、コロナ禍が収束してお会いするときに、お互いが解るでしょうか?
 コロナ感染拡大予防対策が講じられ、会場客席のキャパシティは半数。当初の予定より入場者を減らすため公演数を増やし、さらにゲネプロを公開し、公演数を数えると5回に・・・、ええっ、三日間で5回も本番!

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本番舞台もマウスシールド着用の長唄・常磐津の唄方の皆さん

 これは私にとっては初めての経験。まるで歌舞伎などの役者さんのよう・・・、しかし、どの舞台も全く同じということは無い、舞台は《生もの》だと学ぶことになりました。
 経験未熟な私は本番を迎えるまで、これでいいのか?と練習を繰り返していましたが、それでも不安な気持ちを払拭できません。かたや、コロナ禍にも関わらず客席には多くの方に足を運んで頂くことができました。

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日舞・洋舞の皆さんと演奏者

 普段、一緒にお稽古をしている友人や先輩先生から激励を頂き、偶然、お会い出来た正絃社の先生方は何とも深い抱擁力のある笑顔で包み込んでくださり。その全てが勇気になりました。お陰様で千秋楽まで頑張ることができました。皆さまの応援が、心強いエネルギーになりました。家族も力強い応援団でした。ありがとうございました。
 一年前に芽生えた、《もう一度演奏したい》という一心で、この大役に挑戦させていただきました。祐子先生、尺八は峰山先生と、母(野崎緑)と私、素晴らしい共演の端っこに入れていただき恐縮いたしました。
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祐子・峰山先生との貴重な共演

 祐子先生、峰山先生と共に舞台に出させていただいた貴重な経験、演奏はもちろん演奏以外でも多くのことを勉強させていただきました。心から感謝申し上げます。
 二年に亘るこのプロジェクトで、本番に向かって作品を創り上げていく喜びとともに、素敵な一団の一員になった喜びを感じました。ご来場いただいた多くの方への感謝の気持ちが溢れてきました。本番を迎え、日頃のお稽古の大切さが身に沁みました。コロナ禍で思う様になりませんが、また、舞台に立ちたいです。
その機会まで、日々精進いたしまので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
     
※名古屋城天守物語後日談
この公演の一部がコロナ禍に対する芸術家支援事業「文化で名古屋を応援!きみのあしたプロジェクト」(名古屋市文化振興事業団×愛知芸術文化協会)に採用されました。(後述)
蕎麦屋の出前からヒントを得た?らしい、吊り下げ型ビデオカメラでひとりひとり、間近で撮影され(僅かなショットですが)スター気分でテンションアップ。

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吊り下げ型のビデオカメラで接近撮影

 これを最後に、演奏に没頭する夢のような毎日が終了し平常生活に戻りましたが、夢中になれるひとときを持つことができる幸せな環境に感謝しています。
(名古屋市・野崎緑門下・師範)

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★ユーチューブ配信ご案内★

○「文化で名古屋を応援!きみのあしたプロジェクト」
https://www.youtube.com/watch?v=UtHl7zklkNQ&t=11s

○ナゴヤ・アーティスト・エイド
コロナ禍への名古屋市によるナゴヤ文化芸術活動緊急支援事業「ナゴヤ・アーティスト・エイド」にて、野村正峰遺作「千樹万葉」配信。
令和への憧憬・千樹万葉 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mfdFbqZu98g

○おうちDE合奏、メヌエットDEダイエットのシリーズもユーチューブにアップしています。

http://seigensha.net/news/topics/389-youtube-taiso.html

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 民謡は旅人「蟹江尾八会」出演記       兼岩展子

 あらゆるイベントが中止、延期になっているコロナ禍の昨今、久しぶりの舞台出演の機会を得て歳の暮れ迫る12月26日、民謡「尾八会」(名古屋市芸術創造センター)に正絃社合奏団の一員として出演させて頂きました。
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尾八会の民謡三味線と正絃社合奏団の合奏

 会主の蟹江尾八先生は、民間に伝承された歌=民謡のなかに込められた「思い」を歌い継ぎ、また、伝承が途絶えてしまった民謡を発掘して世に広める活動をされておられ、今回は29回目の公演です。
尾八先生のお嬢様の蟹江しほさん、姪御さんの蟹江礼子さんは民謡歌手としてCDデビューされており、素晴らしいハーモニーのデュエットを聞かせてくださいました。民謡というと、お爺ちゃん、婆ちゃんが口ずさんでいるイメージがありますが、尾八会の皆さんは小さなお子さんからご高齢のかたまで、幅広い出演者で親子出演もあり、ご家族の仲のよさも伝わってきます。やはり歌や音楽で結ばれることはよいことだと思いました。
 さて、この「尾八会」も本来なら昨年二月末に行われる公演がありましたが、直前の急激なコロナ感染拡大状況に、涙を呑んで急遽中止。昨年一年間、普段のお稽古も、教室に防御シールド板を設置された感染対策のもとで細々と続けられたとか・・・。このまま劇場文化、舞台活動がなくなってしまってはならない、と公演開催の大決心に到ったそうです。
 当日は防御対策がしっかり行われていました。会場での検温、楽屋にはアルコールスプレー、 除菌シート、そしてマウスシールドが当たり前のように置かれていました。今の日常ではこれが当たり前の光景になりましたが、慣れたくない光景です。もちろん、お弁当も分かれて、皆、同じ方向を向き、極力会話をせず…、寂しい世の中です。
 合奏団の日々のお稽古も、なるべく距離を空け、防御シールドのパーテーションを設置していますがメンバー全員、楽しくお稽古しています。
 私は久しぶりの舞台と、初めての十七絃出演ということもあり、張り切ってお稽古しようと息巻いていながらも、職業柄、手洗いと異常なほどの手指消毒により、手先のあかぎれが痛く 満足にお稽古できない日も・・・。
 しかし、祐子先生のご指導のもと、当日は緊張感の中にも楽しさがあり、1日遅れのクリスマスソングなど、民謡三味線との合奏に充実感を味わいました。

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後列左から2番目兼岩さん

 舞台に上がる直前、マスクを透明のマウスシールドに替え、そのまま舞台へ。マウスシールドは鼻息が荒くなると曇ってきてしまい、お互いに笑いをこらえて・・・、出演ギリギリでも和やかな雰囲気。久しぶりの舞台、久しぶりの着物、 本当に楽しかった、の一言です。
 早く新型コロナウィルス感染症が落ち着いてくれることを願っております。(名古屋市・直門・准師範)

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芝居小屋「長栄座」新春公演

〜源平芸能絵巻「赤と白と」〜 出演奮闘記   岩瀬直子 

 令和3年1月17日、二度目の緊急事態宣言が出ている中でしたが滋賀県米原市の滋賀県立文化産業交流会館イベントホールでは、明治の芝居小屋を復活させた特設舞台「長栄座」で表記タイトルの公演が開催されました。

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ゲストの永廣孝山・菊央雄司先生とともに

 いつもより間隔を空けての全指定席でしたが「これ密でしょ!」と思うほどお客様でいっぱい・・・、このような状況下の中で、お客様が大勢この地に集まって来られたと言うのは、音楽、舞踊など古典芸能に癒しを求めていたのではないでしょうか。胸がいっぱいになりました。
この公演監修の久保田敏子先生もプログラムの中で、
「日本の代表的な芸能を、第一線の演者たちが一堂に会して演じて下さる機会は、先日の記者発表の折にメディアの人々を"あり得ない"と驚愕させたほど、千載一遇の稀有な企画です。」
と書かれています。
 素晴らしい一流の出演者によるこの公演に、「しゅはり」の一員として私が参加出来たことを、本当に嬉しく思います。
「しゅはり」とは、滋賀県で行われている「邦楽専門実演家養成事業」を修了した受講生が、キャリア認定を経て登録される演奏集団で、修行における用語「守破離」に由来する命名です。お家元と池上眞吾師が講師を務められる「しゅはり」には現在、正絃社からは佐野亜子、川勝ももこ、水野優子、私こと岩瀬直子の4名ですが、流派を越えた十数名が在籍して活動しています。

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しゅはりメンバー・右端岩瀬さん

 さて今回の公演、コロナ禍において当日を迎えるまでの道のりは、容易ではありませんでした。 
源平の闘いをテーマとする企画のなかで、私たちが出演する曲は、山田流の曲で「須磨の嵐」。山田流箏曲家萩岡派ご宗家、萩岡松韻先生、御令嬢の松柯先生、由子先生としゅはり7名がご一緒に演奏させていただく光栄な舞台をいただきました。
 山田流の曲を弾くのは初めてのことで、不安もありましたが、共演の期待感に胸が大きく膨らみました。山田流楽譜は横書きと聞き心配していましたら、届いたのは縦書き。祐子家元が私たちのために翻訳、書き直してくださった手書き譜でした。そして私たちの指導のために東京の萩岡先生宅へ出向かれ、合奏音源を用意して下さいました。初合わせまでには三ヶ月ありましたので、余裕を持って練習することができました。
そして12月中旬、松柯先生、由子先生が米原に来られる下合わせの予定が、東京でのコロナ感染者急増のため中止となり、その後も「しゅはり」だけの練習の日々は続きました。
 公演一週間前、いよいよ先生方との初合わせ!と思いきや、再度の緊急事態宣言発令。またもや東京からの来訪は叶わず、リモートでの下合わせが準備されました。ここに尺八の永廣孝山先生が初参加され、全員揃っての練習とはなりましたが、画面の中の先生方との合奏は、スピーカーの音も聞こえにくく、タイムラグがあり難しい合奏でした。 

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壁面に映された先生方と合奏

 こうした練習を経験し、「もう、やるだけ!」と、開き直って迎えた本番当日、やっと先生方と直に面して合奏する感激はいかばかりか!
 それでも「もしかして、当日来られなくなったら・・・」と、不穏な思いも脳裏をよぎりましたので、無事、会場に到着された先生方のお顔を見たときには、全員がほっと安堵。
 そして本番前の舞台でたった一度だけの全員でのリハーサル、今までで一番集中して演奏した気がします。
 舞台での私の場所からは、萩岡先生の手を垣間見ることが出来たので、呼吸を合わせて入るタイミングも計れました。「須磨の嵐」は演奏時間約18分の長編ですが、先生方の独奏部と私たちの合奏は複雑に分けられており、うっかりすると弾き逃してしまいます。舞台の見栄えもあり、手を出すタイミングや譜めくりは細かく決めて揃えました。自画自賛ながら、初めてとは思えないほど、上手く演奏出来たと思いました。「手事」の段落の入り方などを確認して、リハーサルが終わり、萩岡先生が「大変よろしかったです。」と声をかけてくださり、安心しました。

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舞台リハーサル左端・岩瀬直子さん

 この状況の中での演奏会出演では、いろいろなことを学びました。いちばん大切なことは、《充分に練習しておけば自分自身に自信を持って演奏が出来る》(当たり前のことではありますが)、次に《充分な対策をしてディスタンスを保てば演奏会が出来る》ことです。
長栄座公演には広範囲の地域から出演者が集まりましたが、無事終えることが出来ましたので、次に控えている5月の刈谷でのコンサートも大丈夫と思います!
 コロナ禍でも公演を開催して下さった主催ホール関係者の皆様方、指導の先生方、一緒に頑張った「しゅはり」メンバーの皆さん、本当にありがとうございました。
【追伸】マウスシールド着用しての歌は、とても歌いづらかったです。マスクやシールドをつけなくてもいい日が早く来ますように!  (知立市・岩瀬則子門下・大師範)

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邦楽実演家養成事業・演奏会   水野優子

 令和3年2月21日、滋賀県米原市の滋賀県立文化産業交流会館小劇場にて、滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」および「邦楽専門実演家養成事業」受講生による演奏会が開催され、「しゅはり」の一員として出演させていただきました。
 演奏会の約1か月前に再び発出された緊急事態宣言により開催が危ぶまれましたが、スタッフの皆様のご尽力のおかげで無事に開催され、また当日はコロナ禍にあっても多くのお客様にご来場いただき、感謝の念にたえない一日となりました。
 この養成事業には、私は4年連続して参加させていただいています。一緒に参加している正絃社メンバーの岩瀬直子先生、佐野亜子さん、川勝ももこさんと一緒に米原に向かい、往路の車内では、
「今日は〇〇の部分を気をつけて弾いてみよう」「□□はクレッシェンドしたほうが良いよね」など、4人で意見を出し合います。
 そして、祐子先生と東京藝大講師の池上先生の厳しくも楽しい講習の時間。なかなか朝の打ち合わせ通りには弾けず、もどかしい時もありますが、先生方の熱心なご指導により、徐々に弾けるようになっていく達成感があります。 
 復路では、また4人で熱い討論・反省会(笑)。 毎年9月頃の開講から半年間、とても充実したお箏漬けの日々で本当に勉強になります。
 特に今年は生田流と山田流のコラボレーション!ということで、山田流の曲の「須磨の嵐」で萩岡松韻先生のお嬢様の松柯先生、由子先生と共演させていただけることとなりました。コロナ禍のために残念ながら、萩岡先生の直接のご指導は叶わなかったのですが、リモートで演奏を聞いていただく機会を得て、大変貴重な経験ができました。

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両萩岡先生としゅはりメンバー

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当日のリハーサル

 2月の本番の舞台では、祐子先生、松柯先生、由子先生と尺八の永廣先生が舞台前列に座奏、しゅはりメンバーの7人が後列で立奏でした。先生方のすばらしいお歌、音色に「やっぱりお箏っていいなぁ…」と、同じ舞台に居ながらも、聴き惚れてしまいました。

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本番舞台・右から2番目水野さん

 コロナ禍で思う様に外出できない時期ですが、おうち時間をプラスの時間ととらえて精進し、コロナ明けには、一人でも多くのお客様に「お箏・邦楽っていいな!」と思っていただきたいと改めて思う演奏会でした。
次年度も養成事業の開催が決定しているとお聞きしています。講師の先生方のご指導、そしてメンバーとの切磋琢磨により、一年一年、自分の成長を感じられる貴重な機会ですので、健康には十分に留意しつつ、これからも積極的・前向きに、そして楽しく!お箏に取り組んでいきたいと思います。(尾張旭市・直門・准師範)

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子どもの目

 鷲法子門下の夏目理桜菜さん(NHKTV「にっぽんの芸能~箏曲家・野村正峰の世界」での「花かげ変奏曲」十七絃に出演)の作文が、津島市の機関誌~市政ひろば~つしま【子どもの目】に掲載されましたのでご紹介します。

伝統の大切さ 和楽器
南小学校6年 夏目 理桜菜

 みなさんは「和楽器」を知っていますか。
 和楽器は日本に昔からある楽器のことです。私はその中の箏を習っています。そんな私は最近悲しくなったことがあります。
 それは、和楽器の知名度がとても低いと知ったことです。みなさんは、何かスポーツをしていますか。スポーツで大事なのは、仲間への信頼だと思います。それは和楽器も同じです。合奏の時に一番大事なのは、仲間を信じることなのです。そう考えると、和楽器もとても身近に感じませんか。演奏しなくても、見たり聴いたりしてみるだけでも和楽器とふれ合うことになるのです。 
今、日本ではピアノなどの西洋音楽であふれています。でも古来からある伝統楽器を守っていきたいと私は思います。
 私は、この作文を通じて一人でも多くの人に和楽器のよさを知ってもらいたいと思っています。和楽器は日本人の私達が世界に誇れる伝統の一つです。音楽を通して、もっと多くの人たちと心をつなげてみませんか。

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NHKTV「にっぽんの芸能」より「花かげ変奏曲」後列右端・夏目理桜菜さん

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