各地の活躍 ~うたまくら337号より - 正絃社

各地の活躍 ~うたまくら337号より

各地の活躍 (写真はクリックで拡大します)

~新春コンサート~熱田初えびす!   川 口 文 江

新年1月5日、熱田神宮での初えびすに合わせて、熱田文化小劇場では新春箏曲コンサートに正絃社の出演。お正月を箏の音色で過ごしたいと思い、出かけました。

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川口文江さん

まだコロナ禍なので、会場後部の席では間隔を開けていましたが、前方の席は詰めて座ることができたので、前方の席を陣取り、満席の中、開演を待ちわびていました。
プログラム1番「華舞歳々」。幕の前には和太鼓が置かれ、箏の演奏会なのに・・・、と思われるお客様もあったのでは? と、開演のベルが鳴り終わり、真紅の振り袖の野村倫子先生の登場。
新春にふさわしく華々しい倫子先生の和太鼓から始まり、会場みな圧巻の空気に包まれ、続いて箏の素晴らしい合奏。途中には尺八・野村峰山先生と幹人先生の親子のアドリブが入り、尺八の音色にも圧倒されました。太鼓と箏と尺八、そのギャップも良かったです。

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太鼓で華やかなオープニング「華舞歳々」


演奏が終わるとお家元・野村祐子先生の新年の暖かいご挨拶があり、演奏曲の説明に、皆さん興味津々で聞き入っていました。
その合間に幕が開いたままの舞台では、大勢の合奏曲からソロ曲「春の海」へ舞台転換、これもパフォーマンスの一つでしょうか。
2曲めのプログラムは、新春のBGMに必ず流れる「春の海」。お家元ご夫妻のデュエットの「春の海」は、聴いているだけでなく視覚的にもうっとり。美しい舞台でした。
3曲めは野村正峰作曲の「縁」。
コロナ禍で疎遠になった方々も、あることでしょう。お箏のおかげで繋がれているご縁を有難く思います。野村正峰作曲の心温かい作曲の中に、祐子先生が作られたメロディが使われているエピソードにビックリ。親子の「縁」睦まじい作曲だったのですね。
前半3曲が終ってしばしの休憩後、4曲めはこの「初えびす」の七福神に因み、祐子先生作曲の「七福神宝船」です。作詞者の「舞林紋呂」さんのペンネームに纏わるお話に客席も笑いが・・・、楽しい解説にコンサートのムードが盛り上がります。
「鯛を抱えたえびす様、商売繁盛、笑顔満願、幸せ釣り上げワッハッハ、ワッハッハ・・・」邦楽は堅苦しいイメージがあるのですが、ワッハッハと笑う楽しい歌詞に客席もニコニコ。「七福神宝船」、にぎわいと福をいただけたようで幸せになった気分です。

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「七福神宝船」

 そして5曲めは「日本の四季」。
「さくらさくら」に始まり、「チューリップ」「茶摘み」「七夕さま」「海」と日本の四季を歌う童謡が続きます。誰もが知っている童謡に、皆さん和んだ様子でした。確か、この曲をお稽古したときには、「雪やこんこ・・・」の歌の次に「お正月」(もういくつ寝るとお正月・・・)だったのですが、今回は「一月一日」(年の始めのためしとて・・・)に入替わっていましたが、気が利いた選曲ですね。
 この曲のあとには、おみくじコーナーがあり、文化小劇場の女性館長さんが登場。PCによるくじ引きで、地元のあつた宮宿会協賛による景品が紹介されました。七福神の名前がつけられた景品の数々に胸がワクワクしましたが、私の番号は出ませんでした。
おみくじの間に舞台はすっかり転換され、最後の曲「初春の調べ」になりました。倫子先生が鈴を鳴らして演奏が始まりました。

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「初春の調べ」

演奏後に祐子先生が「皆さんからの拍手をたくさんいただけると、来年もまたこのコンサートが出来ます。」と言われると、客席満場の拍手が沸き上がり、もちろん私も一生懸命拍手を贈りました。
おみくじが当たらなかったのが残念ですが、また来年も、このコンサートが開催されるのを楽しみにしています。(名古屋市・直門・大師範)

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「邦楽専門実演家養成事業」
  受講生&滋賀県邦楽専門集団「しゅはり」演奏会 ライブ配信とともに開催 
                                                                                                               水 野 優 子

米原市の滋賀県立文化産業交流会館では、昨年9月から「邦楽専門実演家養成事業」が始まりました。
劇場アドバイザーの久保田敏子先生監修のもと、野村祐子・池上眞吾・片岡リサ・吉澤延隆各先生の指導の成果を発表する演奏会が、2月11日に開催され、古典から現代曲まで幅広いプログラムの7曲が演奏されました。

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本番の衣装で舞台リハーサル


コロナ禍悪化のなかでもあり感染対策のため検温・消毒はもちろんのこと、出演者は舞台での演奏もインタビューもマスク着用という厳重な感染防止スタイルでの出演でした。
客席数も減らされていましたが、ライブ配信が行われましたので、自宅に居ながらにしての視聴が可能となり臨場感はないものの、より多くの方々に鑑賞していただくことができました。

プログラム
1.明治松竹梅(菊塚与一作曲)
⒉.箏のための組曲(石桁真礼生作曲)
3.典雅(野村祐子作曲)
4.都踊(宮城道雄作曲)
5.旅路(野村正峰作曲)
6.地下室のメロディー(市川慎作曲)
7.迦楼羅(池上眞吾作曲)

今回のこの養成事業では、従来のアンサンブル習得コースに加えて、ユース(35歳以下の若手コース)、特別集中レッスンコース(音楽大学邦楽科卒業レベル演奏者のためのコース)が増え、充実した指導が安価な受講料で受けられます。
それぞれのコースの課題曲が、この演奏プログラムになっており、アンサンブル習得コースでは箏曲の基礎である古典の明治新曲「明治松竹梅」と近代箏曲の祖・宮城道雄作品で華やかな合奏の「都踊」、作曲家でもある二講師の作品からは、雅びな合奏曲の「典雅」、斬新な題材の「迦楼羅」。特別集中レッスンコースの曲では、五線譜による作曲で「箏のための組曲」「地下室のメロディー」、ユースコースは箏尺八二重奏曲の「旅路」。

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マスクを外して記念撮影の養成所演奏会出演者と講師の皆さん 


今年度、私は毎年受講しているアンサンブル習得コースに加えて特別集中レッスンコースを受講しました。
実は、滋賀県養成事業の練習が始まった昨年10月には「日本三曲協会秋季演奏会」、正絃社合奏団では11月の「宗次ホールスイーツタイムコンサート」と12月の「子どもアートピア・アトリウムパフォーマンスステージ」、そして新年1月に「熱田新春コンサート」と毎月、イベントが続き、私は非常に過密スケジュールでした。 
でも、名古屋では秀子先生と祐子先生、滋賀県では池上先生、片岡先生、吉澤先生と、超豪華な先生方にご指導を賜ることができる本当に貴重で、充実した楽しい半年間でした。

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正絃社合奏団で子どもアートピア出演、前列左から2番目水野さん

米原市は日本有数の豪雪地帯ですが、今年の冬はことに記録的な降雪で練習が中止になるなどの困難もあり、コロナ禍さらに気象禍のなか、会館側の安全対策を重視した対応で練習を続けることができました。今回学んだことを、しっかりと自分のものにし、今後も精進してまいりたいと思います!!

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演奏を終えて和気藹々のひととき

このように滋賀県の養成事業では、普段のお稽古からもう少し刺激のある勉強がしたいというかたに、たいへんプラスになる機会で(練習に通えるかどうかなどを考慮する必要がありますが)地域、所属を越えた勉強仲間に出会えるのも楽しみのひとつです。
次年度は、夏頃の募集で秋に演奏会が予定されています。興味のあるかたは滋賀県文化産業交流会館HPを、ぜひ、チェックしてみてください。     (尾張旭市・直門・准師範)

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ライブライブライブ    佐々木 きわ子

令和3年12月3日、北上さくらホールで【ライブライブライブ】が行われました。コロナ禍でなかなか演奏会ができないだろうと芸術工房の企画でした。
今回の出演者は、私たち4人の箏合奏、6人のリコーダーアンサンブル、3人の女性ヴォーカルグループでした。
この公演は、プロ・アマ問わず自らのパフォーマンスを少しでも高めようという志を持った仲間が、ステージを重ねつつ成長した姿を皆さんに楽しんでいただこうという企画でした。特徴は、リハーサルの段階から、各グループがお互いのパフォーマンスを観て長所を認め合うと同時に、もっと素敵になれる方法を温かい心をもって助言し合ったことです。それに加えて、芸術工房の仲間たちも意見や感想を出し合ってくれました。
各グループの持ち時間は20分で、私たちの曲は「いい日旅立ち」「コスモス」「紅蓮華」「夢はマーチに乗って」でした。今回のメンバーには中一男子も加わり、2曲十七絃を弾き全曲暗譜で挑みました。私たち大人3人は見習わなくては、と反省しきりでした(汗)

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右から2番目佐々木きわ子さん

ライブを終えて、第三者の皆さんの意見がいろいろ参考になり、貴重な経験をさせていただき、実りあるライブとなりました。主催者に感謝の気持ちでいっぱいです。
お客様も、「一度に3グループのライブが聴けて、とてもお得感があった。」と話してくれました。
コロナが落ち着きましたら、また、東京目黒教室でのお稽古を楽しみに伺います。そして、早く研修会・合宿ができる日が来るように願いたいものです。(北上市・直門・師範)

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