各地の活躍 ~うたまくら338号より - 正絃社

各地の活躍 ~うたまくら338号より

各地の活躍

第十回山村楽乃 日本文化と舞
座敷舞の会

 暖かな春の陽射しに恵まれた3月13日、名古屋市内では国際的な女子マラソンが開催されました。そのコースの中にある名古屋能楽堂では、関西発祥の地歌舞の普及に努める山村楽乃先生による「座敷舞の会」が開催されました。
二部制の内容で、第一部は門下生の発表会、第二部は山村楽乃先生と幹部門下生でゲスト演奏者を迎えた舞台でした。

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「鼠の道行」

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菊央雄司氏とともに

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令和四年度 
公益社団法人 日本三曲協会定期公演
 春季三曲名流演奏会

 GW真っただ中の5月4日、東京千代田区の国立劇場大劇場では、3年ぶりの表記演奏会が開催され35曲が演奏されました。

プログラム
「四季の調」(山勢松韻)/「琴古流本曲葦草鈴慕」(童門会)/春陽楽より「宮城会」/「近江八景」(鳥居名美野・山登松和)/「琴古流本曲秋田菅垣」(川瀬順輔)/「四季の遊」(山木千賀)/「桜島」(櫻葉美会)/「舞踊会」(宮下秀冽)/「夕顔」(福田栄香)/「都山流本曲春風」(公財都山流尺八楽会)/「松の寿」(富山清琴)/「三曲第二番」(中島一子)/「桜の宿」(真磨琴会・尺八貴風会)/「琴古流本曲三谷菅垣」(青木鈴慕)/「夕顔」(白秋会)/「岡康砧」(中能島弘子)/「阿蘭陀万歳」(米川文子)/「琴古流本曲下り葉之曲」(竹童社)/「吾妻獅子」(藤井泰和)/「萩の花妻」(萩岡松韻)/「春の歳時記」(正絃社)/「琴古流本曲打替虚霊」(琴古流協会)/「紫匂ふ~玉鬘~」(実技講習会参加者)/「漁村の朝」(伊藤松超)/「新浮舟」(鳳友会)/「江ノ島の四季」(箏楽会)/「琴古流本曲三谷菅垣」(竹盟社)/「春の寿」(米川敏子・白菊会)/「箏合奏曲ニ短調」(山川園松)/「流れ」(筑紫会)/「歓喜の調」(朝香会)/「万歳」(松の実會)/「編曲砧」(箏道音楽院)/「八重衣」(絃声ひなげし会)

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箏曲正絃社
 春季三曲名流に参じて奏す
     ~演目 野村正峰作曲「春の歳時記」~  秦 瓢 山

 時は令和四年五月四日午後三時、正絃社家元祐子師以下三六名の全国からの精鋭と竹は峰山師以下五名が参集し、国立劇場大劇場の円形舞台に陣座してその刻を待った。
 そして・・・。舞台が音も無くスーと回り始める。照明は明るいままだ。緊張が一気に高まる!
 正面に来ると回転は止まり、ほぼ同時に幕が上がり始めた。
 やっとその刻が来た。
 コロナ禍にありながらも粛々と数次にわたる合奏を重ねて二年半、この想い晒す!
 程なく上段に陣取った哲子師以下の三絃群が、春の息吹の鼓動を伝える三拍子でテンテンテンと軽やかな音が湧きだし、その音の流れに誘い出されるように箏群が奏で始め、竹が~我も仲間に入れて~存在をアピールしだす。
 まるで、心地よい春風を感じながら花見に興じるかのごとくの情景だ! 
 やがて峰山師の竹の独奏がしっとりと春の宵を醸し出しながら、箏の祐子師へ受け渡し、音色と緩急自在な音の流れに身を任すとはこの事だと暫し緊張が緩む・・・。
 総勢四一名に依る大合奏群の面々は曲の中で和して、舞台に上がった者だけが味わえる緊張感、一体感に浸る。この瞬間こそは無上のものだと思い、参加出来た事を嬉しく誇りに思いまする。
 友人の一人(竹)は、
「二階席で聴いて居ましたが、曲は華やかで親しみ易く、尺八も良く聞こえて、他の社中とは一線を科す素晴らしい演奏でありました。」
 もう一人は、
「観た目も演奏も華やかで感動しました。」
とコメントがありました。サイコーです。
 これまで正絃社の方々と接して思い出した言葉があります。

   人たる者の本分は
     眼前にあらず
       永遠に在り

 正絃社十訓をはじめ正峰先生から受け継がれた信愛の精神と在り様に、心からの敬意と誠を表しいたします。これからも尺八倶楽部の面々をよろしくお願いします。
 コメントを寄せてくれた友人(竹)からは、
「正絃社の研修会などに参加させて欲しい!」 とありました。またフアンが増えたように思います。丁度、シナトラのマイウエイが流れて来ました。
 信ずる仲間が居て信ずる道がある。精進すれば道は開けてゆく。この道を往く。
 正絃社の皆様! またお会い出来る事を楽しみにしております。

令和四年五月一四日 記(正絃社関東支部尺八倶楽部会員)

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前日の初めての全員集合  

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圧巻の「春の歳時記」舞台

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日本三曲協会定期公演に出演して  荒木 美子

 幕が上がると客席から「わー」と驚きの声。
(緊張していた私には聞こえませんでしたが)
 去る五月四日、二年前に「春の歳時記」にエントリーしていた日本三曲協会定期公演に、ようやく出演することができました。
 中止となった二年前に暗譜していたとはいえ、もう一度暗譜の仕直しからスタートです。普段のお稽古、正絃社会館での下合わせ、家での動画を見ながらの練習と励みました。
 本番前日の東京の練習では、久しぶりにお会いした方々と話が弾み、演奏会を前にした緊張が解れました。しかし、練習が始まると再び本番モードに。強弱のつけ方、休みの時の手の位置、礼の姿勢などしっかり確認しました。
 当日は、
「おばあちゃん、まいこさんみたい。(私の着物姿を初めて見たのでそう思ったのでしょう)えんそうがんばってね。」
と、三歳の孫に見送られ、いざ国立劇場へ。
 楽屋では、前に使用する団体が出演のため空いている時にお琴を搬入し袋から出し、出演者の方々が戻って来たら、楽屋の外で待機して、楽屋が空くのを待って再び準備をするという慌ただしさでした。
今では普通になった三密回避だけでなく、他の団体の方々へのマナーにも気を配る行動が必要でした。

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本番前の楽屋

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本番直前

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前日の全員リハーサル

 不安な部分を確認する心の余裕もなく本番が近づき、三絃を手に舞台袖へ移動。回り舞台に
乗るとあっという間に正面に回り幕が開いたように感じました。演奏が終わり、幕が下りた時は、安堵と充実感で大きく息を吐いたのを覚えています。
 観客席で聴いていた夫から、
「華やかで、尺八と琴の独奏の緊張感、合奏のボリューム、変化を楽しめる大舞台に相応しい演奏だった!」
と感想をもらいました。
「音楽は心の栄養」祐子先生が常々おっしゃっている言葉です。演奏者も観客もそれを実感できた演奏会でした。本当にありがとうございました。

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右端・荒木美子さん(熱田初えびすコンサートにて)

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春の宴コンサート ~人と人を繋ぐ音楽~

 GW明けの5月7・8日(土・日)、好天に恵まれた週末は、刈谷市総合文化センターアイリス小ホールにて「春の宴コンサート~人と人を繋ぐ音楽」を無事に開催することができました。
 ゲストには、関西から小田誠(箏・十七絃)、関東から若手尺八家・友常毘山・吉越瑛山、お馴染の関東尺八三人衆・曽我哲山・秦瓢山・新海游山の各氏をお迎えし、二日間、舞台演奏のひとときを楽しみました。

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関東尺八三人衆

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華やかなドレスで「古城の旅人」

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「編曲長唄元禄花見踊」リハーサル中

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三絃合奏「河童百態」

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スタッフは黒の衣装で統一

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新曲「令和福寿楽」出演者

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様々な衣装で

~・~ 春の宴コンサートのお便りより ~・~

 祐子先生 春の宴コンサートおめでとうございました‼ 大成功でしたね! 
友人達が来てくれまして、
「雅びな世界に浸ってきました。私の中の箏曲は、「春の海」と「六段の調べ」ですが、今日は「国歌」と「春の海」が聴けて嬉しかったです。」と、メールがきました。 
演奏会は戦さのようなもので、裏方は戦場ですね⁉ 楽器の出し入れや調絃などをすべて準備するのですから。
演奏者は出番を待って演奏するだけ・・・、なんと幸せなことでしょう、頑張って演奏をしなくては!
倫子先生が総て取り仕切りされて、幹部会会長さん始め役員の皆さん、合奏団の方々、そのほか舞台係の方々で舞台裏側を全て準備し実行するのですから大変ですね⁉
自分の出演の時は、二曲位前に着替えて、すましたお顔で舞台で演奏し、出番が済めば裏方に着替えてと、本当に戦場ですね!
今回、舞台係をお手伝いしたM子も、皆様の働きぶりに裏方の大変さを知り、
「自分の演奏より緊張しました、とても良い勉強ができました。」
と言っておりました。何かとお世話になり本人も良い学びの場になったようです、感謝。
正絃社ならではの演奏もさることながら、皆ですることの大切さを実践しているのは、正峰、秀子先生からの教えの賜物ですね‼
和気あいあいと仕事をこなして、戦友となっていく・・・、そして今は2世、3世の世代が活躍する姿を頼もしく思いました。
祐子先生も司会のかたわら、演奏にも裏側にも諸事気配りをされて凄いと感じました。お身体を大切にして頑張ってくださるよう願っています!
秀子先生の年齢91歳、とても信じられないほどお元気で頑張っていらっしゃって、びっくりでした。情けなくも、お手伝いできずすみませんでした。私も身体を早く治します! 
追伸、受付係のボス?の方が、とても良いかたで、何をするか分からないのを、親切に優しくご指導くださり、とても愉しく過ごせたようで、いろいろ学べたようです。
接待係のボス?の方も、何かと気遣いされ、見ていても気持ちが良いほど頑張っていらっしゃいました。正絃社の凄さは、縁の下の力持ちの方々の働きですね⁉ それに祐子先生の縁の上?の凄さはそれ以上、意味が分かるかしら⁉ 正絃社のま~るい和の中にいる私、本当に幸せです! 有り難うございました。
 今後ともどうぞよろしくご指導のほど、宜しくお願い申し上げます‼     (IMさん)

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 小田誠氏とともに「合奏春の海」


・演奏会にあたり先生に熱心にご指導頂き、大変感謝しております。コンサート当日は諸先生方に優しくしていただき、楽しく演奏することができました。教室でのレッスンは、お箏の大好きな皆さんとお会いできる楽しい時間です。引き続きよろしくお願いいたします。 (MNさん)

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名古屋市芸術奨励賞受賞記念
第31回民謡と端唄蟹江尾八会「民謡は旅人」

 6月5日、名古屋市芸術創造センターホールにて、同会に恒例出演の野村祐子と正絃社合奏団有志は、民謡三味線との合奏で人気ジブリ曲「いつも何度でも」「君をのせて」「となりのトトロ」、懐かしのメロディ「旅愁」「遠き山に日はおちて」「ローレライ」を共演。毎年好評の合奏でした。

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民謡三味線との合奏

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和気あいあいの正絃社合奏団

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尺八峰山会「竹の響き」お浚い会

 6月18日、名古屋城の目の前にある名古屋能楽堂の地下、稽古室では野村峰山門下生による表記演奏会が行われました。
 同会場は能楽堂の本舞台と同じ広さで成り、和楽器に合う音の響きで、ソロを主体とした演奏に使われる会場です。
 都山流尺八本曲「朝の海」「木枯」「寒月」「峰の月」「慷月調」はじめ、「ラスコーの壁画」「静寂」「郷音」などの現代曲、また箏の助演に野村祐子家元、上田麻里名さんを迎え、「篝火」「旅路」「五段砧」「枯山水」を演奏、会員の力演をご披露しました。

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