各地の活躍 ~うたまくら339号より - 正絃社

各地の活躍 ~うたまくら339号より

各地の活躍 (※写真はクリックで拡大します)

 

芸能集団 創の会公演

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能楽堂での演奏「鯱の城」


 名古屋能楽堂開館二十五周年を記念して、7月9日(土)に開催された右記、日本舞踊五條流・五條園美先生により結成された芸能集「創の会」公演では、正絃社から野崎緑社中と合奏団有志、野村幹人が出演し、野村正峰作曲「鯱の城」を演奏しました。

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いざ本番


 能楽堂の舞台は通常のホールとは異なり、幕のない舞台ですので、出演者は出入りにも緊張し、よい経験になったとか。これを励みにまた次の舞台を目指してお稽古に励みたいと意欲を燃やしていました。

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フィナーレの挨拶


(出演の感想より)
 朝、各出演の先生方の楽屋に皆でご挨拶に伺いました。その後、他の方々のご迷惑にならないよう、小さな音でリハーサル。着替えも皆で助け合い、岩瀬直子先生が全体の音チェック。  
 舞台転換は打合せ通り粛々と並び、舞台上で 司会の解説を聞いて、落ち着いて演奏を始めました。全員の気持ちが一つになり気持ち良く演奏出来た気がしました。
 楽屋に戻り、片付けを終えたところで、歩いて出るフィナーレを練習、その成果で無事フィナーレも終えました。
 第二部の出演の方々に楽屋を譲るため、3時50分には完全撤収。その少し前、雷と雨が凄かったです。私の家族は演奏に感激し、慣れないフィナーレもお稽古した感じが伝わり感動したと申しておりました。
 お陰様で、大きな舞台でしたが、無事に終えることが出来ましたことを感謝します。

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都山流岡山県支部合奏講習会

 7月17日(日)、都山流尺八岡山県支部では、野村峰山・祐子を講師に招いての合奏講習会が労働福祉事業会館にて行われました。
 地元・渡谷元子社中はじめ多くの絃方の協力のもと、野村祐子作曲「編曲長唄元禄花見踊」「近江夢紀行」「ふるさとの風」の3曲を合奏。
 コロナ禍により2年延期、当初、令和2年開催予定だった企画の待ちに待った実現でした。
 気になる感染者数が落ち着いてほっとしたのも束の間のことで、7月に入り急増し開催がまた心配されましたが、参加者は絃方・尺八合わせて百人越えの大盛況となりました。休憩時間をこまめに入れ、換気に努めて3曲の合奏練習を無事、予定通り終了しました。
 なお、10月30日(日)には同支部第55回演奏会が野村峰山・野村祐子をゲストに岡山市民会館にて開催されます。

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「編曲長唄元禄花見踊」講習

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盛況の参加者

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《山と風の邦楽グループ》
「おさらい会」を終えて   嵐  淳

「先生! 先生! 先生!!!」
「初めての舞台演奏はすごく緊張したけれど、参加して良かった!」
「学校では行事がなくなり寂しかったけれど、思い出が出来たよ!」
「いろんな教室の方々と知り合えて有意義だった!」
「先生方の舞台での模範演奏を聞けて感動しました!」
「これからもっとお稽古、練習をして上手になりたい!」
 7月24日、お弟子さんたちからのたくさんの先生コールに囲まれて、嵐敦子を代表とする≪山と風の邦楽グループ≫の「おさらい会」を終演しました。

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終演して全員集合


嵐敦子と私の二人で、≪山と風の邦楽グループ≫を立ち上げて12年。これまで多様な場所や環境で演奏をさせて頂きましたが、ようやくこの度、ホールを貸り切っての「演奏会」を、お弟子さんの発表会も兼ねた「おさらい会」として開催することが出来ました。

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子ども箏教室の演奏

 実現までの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。特にここ数年、新型コロナ禍数度の《波》の影響を受けたことは言うまでもありません。
 新型コロナ禍の前までは、小中学校への《出前授業》、老人ホーム等高齢者施設への《慰問演奏》、認定子ども園等幼児施設への《訪問演奏》、市町村単位での行事参加など、土日には休む間がないほどの「うれしい悲鳴」を上げながら、お弟子さんの同行も得て活発な演奏活動を行って参りました。
 しかしこの3年間、一部の活動を除いて殆どが中止となり、目標を失ったわけではないのですが、全体の【士気の低下】が気になるものとなりました。また、小学生の子どもたちにとって、新型コロナ禍の影響で運動会、文化祭など各種の諸行事が全て中止となり、所謂「思い出作り」が出来ていないことに心を痛めておりました。
 そこで、私と代表で「何とかこの難局を打破したい!」との思いで、辿り着いたのが『演奏会の実施』という結論でしたが『コロナとの対峙』で難航。
 しかしこの難局にひるまず「悩むより実践」と声を掛け合いながら、
・各教室に似合う選曲
・お弟子さんひとりひとりの個性を活かせる
選曲
・調絃に配意した曲順の選考
・目玉曲の選択
・ゲストの選定
など、ひとつひとつの課題に取り組み各教室での個人と面したレッスンを続け、いくつかの選曲の変更はありましたが、数ヶ月で軌道に乗ってきました・・・、とはいえ本番が近づくにつれお弟子さんたちから、
「緊張してきた・・・」
「出るのやめようかな・・・」
「やっぱりあかんわ・・・」
「観客席にまわるわ・・・」などなど。
 ここで辛抱強く叱咤激励、ついに本番の日を迎えたのでした。
 本番の会場は本格的なホール! 
出演者からの声は、
「心地よい緊張感は最高潮!」
「あっという間に終演!」

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ピアノ・フルート・パーカッションとの共演

 裏方担当の私は、《楽器搬送》《調絃》《楽器設営》《援助演奏》《自らの独奏》、しかも今回は『洋服→和服→洋服』と、早変わりにも挑戦! 一日で体重は1㎏以上減りましたが、いちばん有意義だったのは私かもしれません。
 二人から始まった《山と風の邦楽グループ》艱難辛苦はありましたが、今では延べ50名を超える団体にまで成長することが出来ました。素晴らしい仲間に支えられ、ここまでやってこられたこと、嵐敦子代表ともども関係者全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
 頭書に書いた通りお弟子さんたちの反響に後押しされ、今回の「おさらい会」を機として微力ながら、地域での伝統文化の伝承を図り今後もグループの発展と芸の道への精進を続けて参りたいと思います。

兵庫県赤穂郡上郡町 嵐 敦子門下(夫)

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「令和福寿楽」を独奏で     金 子 奈 美 江

 今年二回目のH小学校での箏クラブで、子どもたちに何の曲の演奏を聞かせようかと考えていました。コロナで思うように物事ができない時代なので楽しい曲がよいと思い、「令和福寿楽」に決めました。
 この曲は合奏曲ですが、第一箏を一人で練習していて楽しく演奏できたので、もしかしたら独奏でもいいのでは、と思ったのです。
 曲中、楽譜9頁1行目の休みはカット、10頁1行目4小節目から2行目までは独奏部分を演奏し、あとは楽譜通りに弾くとまるで最初から独奏曲だったようになりました。手法もトレモロやピチカート、押し手など変化があるので、子どもたちも興味をもって、飽きずに聴けるのではないかと確信しました。
 作曲者の祐子先生にお話して曲を聞いていただくと、独奏は想定外のようで「独奏でも曲になるのね。」と、びっくりしていらっしゃいました。
さて、箏クラブでは・・・。
子どもたちは「令和福寿楽」に静かに聴き入ってくれる様子。
「国歌が途中で流れて歌いそうになった。」
「リズムが楽しい感じですごかった。」
「こんな曲があるのは知らなかった。」 
「君が代がわかった。」
「指の動きが速くて難しそう。」
「うきうきする。」
など感想が返ってきました。
 子どもたちが直に箏を聴く機会は、この後はないかもしれませんが、「令和福寿楽」は、きっと思い出に残る曲になったと思います。

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小学校の箏クラブで演奏する金子奈美江さん

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