新刊楽譜準備中 ~うたまくら353号より - 正絃社

新刊楽譜準備中 ~うたまくら353号より

新刊楽譜準備中
・滋賀県に因む「琵琶湖周航の歌」と、昨年の芝居「飛翔」に因む新作を準備中です。 

 

琵琶湖周航の歌

野村 祐子 編作曲
編成 箏2部・十七絃・尺八

 小口太郎作詞、吉田千秋作曲による「琵琶湖周航の歌」は、学生歌から1917年(大正6年)に成立しました。親しみやすい旋律に琵琶湖を巡る滋賀県の風景が歌い込まれた歌詞は6番まであり、多くの歌手によって歌い継がれています。
 琵琶湖周航とは三高(現京都大学)水上部(ボート部)の恒例行事で、明治26年から2~4泊程度、たとえば琵琶湖一周を大津三保ケ崎から一泊目雄松(近江舞子)、二泊目今津、三泊目彦根で長命寺(近江八幡)に寄港して大津へ帰るというようなコースでした。歌の舞台となった琵琶湖畔には複数の歌碑が立てられています。「誕生の地」とされる滋賀県高島市今津町には琵琶湖周航の歌資料館があり、平成29年(2017)に百周年を迎えています。滋賀県内での行事や集まりでは必ずといってよいほど「琵琶湖周航の歌」が歌われ、琵琶湖の美しい景色への深い郷土愛を感じる歌です。
「これほど親しまれている歌をぜひ箏の演奏で」との要望を受け、2025年2月9日、「令和6年度邦楽専門実演家養成事業演奏会~次世代を担う和楽器アンサンブル」(滋賀県立文化産業交流会館小劇場)にて発表しました。
※6番分の歌詞は場合に応じて省略できるようになっていますので工夫して演奏してください。

(2024年10月編曲)

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養成事業での練習風景 *クリックで拡大

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飛 翔      

野村 祐子 作曲
編成 箏2部・十七絃・尺八

【人は独りでは翔べないが、人は他人に翔ぶ力を与えることができる】との演出家・伊藤敬氏の想いから「飛翔」と名づけられたこの芝居は、箏曲正絃社初代家元・野村正峰の妻・秀子の物語です。
 再招集を受けた退役軍人の父親が「箏を習うように」と遺した言葉に従い小学校3年生の秀子は、野村豊子に箏曲入門する。太平洋戦争開戦直前、父は戦地で亡くなり、残された家族は名古屋大空襲を危うく生き延びて父の故郷の日進村へ移住。戦後、高校を卒業した秀子は銀行に就職し、再び始めた箏の稽古場で師匠の長男・穣(のちの正峰)と出会う。箏で結ばれた二人であったが豊子と穣の箏曲に対する意見の相違で、穣は野村家を出ることを決意する。
 船出―新しい箏曲を目指して二人は箏曲教室を開き、旗揚げ演奏会を実現する。この「飛翔」の物語に寄せる思いから作曲したものです。

(2025年12月)

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