【354号】合奏から得るもの - 正絃社

【354号】合奏から得るもの

合奏から得るもの  野 村 祐 子

 箏はまず、ひとりで練習するものですが、合奏相手があると楽しいものです。同じパートを弾いても、一音一音、相手とピッタリと合うことはなかなか難しいのですが、異なるパートではお互いの旋律が理解できていないと合っているかどうかもわかりません。そこで、いろいろと合奏について思うことを並べてみました。

・調絃を合わせる。以前に比べてチューニング機器の普及で調絃はよく合うようになりました。曲によっては、半音の幅を洋楽の音階より少しせまくすると日本的な陰旋音階らしさがでます。
・相手の速度を聞く。お互いが相手の速度を聞き、曲の流れを合わせることは合奏の基本です。曲の出だしのタイミングや曲中の緩急など、お互いの心意気の余裕が必要です。
・演奏表現を考える。豊かな演奏にするためには強弱や音色の変化、お互いのパートの旋律と伴奏が効果的に表現できるよう工夫します。
・演奏曲を理解する。作曲の意図や歌詞を読み解くと演奏も楽しくなりますね。曲についてお互いの考えや経験を話し合って盛り上がり、練習時間が少なくなったことも…(笑)
・楽譜を読む。箏や三絃の楽譜は数字で書かれているので、五線譜よりも解りやすいのです。私たちには、この数字を記号として読むだけでなく、音に替えて歌うという能力が養われています。頭の中では目から読み取った数字や記号という情報が旋律に認識され、指先に楽器に触れる指示が出され、演奏が生まれるという仕組みです。脳は使えば使うほど老化防止になると言われますので、新しい情報(新しい曲)のお稽古は効果的ですね。
・些細なことがら。ページをめくるタイミングもスムーズな演奏のためには工夫が必要です。ページをめくりたくない場合には暗譜とか…。
・没頭できる。練習していると他のことを忘れて集中するので日常生活の気分転換になります。
・癒される。楽器の音色は、疲れを癒してくれます。音楽には人間の心を動かす力がありますね。

 このように合奏から得るものは多くあります。
 これから日々、老化に向かう年頃代には大変よい脳トレになると、自分に言い聞かせてお稽古に励んでおります。どうか皆様も、合奏で老化防止、健康長寿を心がけてくださいませ。

 

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