桜花三章 - 正絃社

桜花三章

【2017年2月 作曲 野村祐子】

・花盛り人も漕ぎ来ぬ 深き谷に波をぞ立つる春の山風 (西行)
・我が宿の花見がてらに来る人は ちりなむ後ぞこひしかるべき (凡河内躬恒)
・声絶えず鳴けやうぐひす ひととせにふたたびとだに来べき春かは(藤原興風) 

 滋賀県長浜市在住の箏曲家・加賀井弘美邸では、毎年、庭の桜を愛でる人々で賑わいます。
 この曲は、平成29年の花見の宴のおもてなしのための委嘱作品で、桜に寄せる歌三首による箏独奏曲に作曲しましたが、要望により尺八を手付けしました。曲は、まず始めに、花盛りに賑わう人々の歌、次にはその人々が去ったあとのわびしさ、締めくくりには吉沢検校作曲「春の曲」にも歌われる、今を盛りと鳴く鶯を詠む歌を並べました。三番目の歌は、歌詞の順を入れ替えた作曲としています。日本人に最も好まれる、桜花爛漫の景色を思い浮かべて演奏していただけましたら幸いに存じます。

編成 箏・尺八・歌

 

 

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