流離の詩 - 正絃社

流離の詩

【1973年 野村正峰作曲】

青島は日本内地では唯一の熱帯植物の自然の群生地で、南洋の島々から海流に乗って送られた植物の種子が、環境条件のよい、この地にだけ生育しています。

島の中はまさに南海の孤島のジャングルのような様相で、旅ゆく人は、日本の本土に突然現れた異境に、えも知れぬ感動をうけます。

第1楽章く遥かなる懐い>では、名も知らぬ草木の流離の旅路ヘの感慨をえがきます。
第2楽章<ひな唄の思い出>では、青島から日南海岸を鵜戸神宮詣でに、新婚の花婿が、花嫁を鈴のついた馬に乗せて道行した昔のならわしを歌った、シャンシャン馬道中歌が片鱗を見せます。
第3楽章く激情>では、せまりくる流離望郷の思いを 3/8+5/9 という複雑なリズムで激しくうたいあげます。

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