箱根八里変奏曲 - 正絃社

箱根八里変奏曲

【1967年 野村正峰作曲】

滝廉太郎といえば、名曲「荒城の月」とともに、日本近代歌謡史上に不朽の名を残す作曲家です。

箱根山の峻険を踏破する日本男児の心意気を歌った箱根八里もまた同氏の作曲ですが、明治調、漢文体の歌詞が平和的、文化的でないというのか、文部省唱歌から除かれて久しく、当世の若者たちからは次第に忘れられてきた歌です。

時代錯誤と笑う人もあるでしょう。でも戦前派の私、三つ児の魂百までともいうべき少年時代に培われた士魂には、忘れ難い歌のひとつです。
変奏曲にして少女たちに演秦させたら、明治の日本人の稜々たる気骨の一端を偲ぶことができるのではないか・・・・
複雑な思いが脳裏をかすめながらの作曲でした。

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