【1976年 野村正峰作曲】
初夏、桜桃狩りのお土産の見事な収穫に、かつて訪れたポーランドの古都・クラコフ市の郊外のレストランで、大きな桜の古木にたわわに実る桜桃を自由に摘ませてもらった思い出を、箏の独奏曲にまとめたものです。
箏の調絃には、「時鳥の曲」(楯山登作曲)に創案された夏山調子から、第一、第二絃をオウターブ下げて、夏の雰囲気を出しています。一絃から五絃の音階はドミソラドとなり、長音階の主和音、短音階の主和音などが、安定した音色で響く利点を生かしたものです。