編曲長唄越後獅子 - 正絃社

編曲長唄越後獅子

【1973年 野村正峰作曲】

長唄の越後獅子は、文化8年(1804)江戸の中村座の狂言に、三代目中村歌右衛門が演じる七変化の所作事のために、九代目杵屋六左衛門が作曲したと伝えられます。
越後(新潟県)の名物、旅芸人の一座が、お国名物のおけさ踊りや、角兵獅子、布さらしなどの面白い芸を演ずるのを歌った曲で、当時流行の歌謡や、地歌の越後獅子などが巧みに織りこまれています。
長唄の原曲は、日本的な旋律と歯切れのよいリズムが好まれて、箏曲にも洋楽にも編曲され、和洋いずれの側にもよく知られた曲です。

この編曲は、器楽曲として作曲したもので、序奏として、獅子舞の印象を描いた、十七絃と尺八の独奏的な創作部分をつけ、一般によく知られている「五段返し」「さらし」の部分ばかりでなく「浜歌」や地歌の手事から組み入れられた部分なども加えています。
三絃を軸にした、箏、十七絃、尺八の合奏の厚みのある編曲です。この録音では、さらに鳴物も入れた華やかな演奏をお楽しみください。

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