「港フェスタ金沢2017」 ~うたまくら319号より - 正絃社

「港フェスタ金沢2017」 ~うたまくら319号より

~港フェスタ金沢2017~
 護衛艦「かが」での艦上演奏会              高杉蒼海山
 
 護衛艦「かが」(艦長:遠藤昭彦1佐)(排水量:19,500トン、全長248メートル、最大幅38メートル)は、港フェスタ金沢2017で初めてのお国入りを果たしました。

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 一般公開は、係留した岸壁がSOLAS(国際貿易港)の関係から7月15日の一日のみでしたが、来艦者は1万5千人に上り、たいへん盛況でした。
一般公開に併せて、艦内では、邦楽、太鼓演奏や日舞の披露がありました。護衛艦「かが」としては、名前を頂いた加賀の国の文化等を代表するような「加賀友禅」「九谷焼」等の展示室を作る等地元との強い絆を築くことに特段の配慮をしていました。
 そのような状況にあって、一般公開の15日には、金沢大学琴尺八部(OB含む)20名と生田流箏曲正絃社10名(東京及び名古屋から)と自衛隊OB1名のコラボレーションで、金沢の情景をイメージして作曲された「古都絢爛」(野村祐子作曲)等が演奏されました。
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 着物姿の正絃社会員と金沢大学(学生・OB)の皆さん

 護衛艦の中でこのような邦楽の演奏がされたのは、海上自衛隊史上、初めてのことではないでしょうか。
日頃は、海上自衛隊とあまり縁のない金沢大学及び地元の人達が、護衛艦「かが」の入港を祝っての演奏であり、演奏の合間には、護衛艦の装備品を見学する等で、海上自衛隊への理解を深めました。メンバーの中には、護衛艦を初めて見る者も少なくない状況でした。今後「かが」と地元の交流が、末永く続くことを確信しました。 
一般公開(10時~16時)の当日も、天気に恵まれ(炎天下?)9時過ぎには、気温が30度を越える状況でした。
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 入場を待つ長蛇の列

 公開開始前に、来艦者が長蛇の列になったことから9時45分には開始され、邦楽の演奏は、10時30分からと13時30分からの2回実施されました。演奏に際しては、艦の送風機の送風音が大きいことから止められましたので、25分といえども気温はウナギ登りとなりましたが、この環境に負けることなく素晴らしい演奏がされました。   
 

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・整備格納庫での搭載ヘリをバックに演奏

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・大盛況の見物客

 インターネットのツイッター等にも「かがっぽい曲で良かった」等の書き込みがありました。
「ヘリコプターをバックに演奏なんて、素晴らしい」といったものもあり、企画した者としては、『自衛隊と市民の方を邦楽で繋ぐことが少しは、できたのかな?』と思いました。
報道では、「護衛艦に入るまでに2時間近く待った」という状況が報告されていましたが、「最新、最大の護衛艦を見られて良かった」という感想も多く、その護衛艦を地元が歓迎して迎えた(歓迎演奏)ということで、身近に感じてもらえたと思える声を、たくさん聴くことができました。
 多くの巡り合わせを経て、今回も多くの方の支援(石川協力本部等)を頂きながら、護衛艦「かが」での艦上演奏会(邦楽は、たぶん自衛隊史上初めて)を実現することができました。  
これを機に、また、新たな縁ができてくるという、人の繋がりのダイナミックさも感じています。

(都山流大師範・海自OB)

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