「ゆかた会」に寄せて ~うたまくら319号より - 正絃社

「ゆかた会」に寄せて ~うたまくら319号より

第24回 向日葵会
「ゆかた会」に寄せて        久世 裕子

「今度のゆかた会では独奏をしてみませんか?」と、師匠の小島君代先生から声をかけていただいたのは、今年4月のお稽古に伺った日でした。
私自身、独奏を発表することは初めてで、しかも尺八の野村幹人先生との共演は何だか恐れ多いと思い、その場ですぐにお断りをしたことを覚えています。
しかし、先生より、「この機会にしっかり勉強してみるのもいいのでは?」と後押されて、『炎』に挑戦することを決めました。

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野村幹人の尺八で「炎」を演奏する久世さん


 小島先生とのお稽古が始まり、綺麗な音色の出し方、曲の表現など、独奏ならではの演奏法を学びました。

 7月には、家元のお稽古を受けて、私が苦手な「すくい爪」では、爪のはめ方・爪のあて方・手の向きや形などを根本から勉強しました。ゆかた会に向けての合奏リハーサルでは、野村幹人先生からリズムとテンポについてご指摘いただきました。本番までには自分らしい『炎』が弾けるようになりたい、と思ってひたすら練習を重ねました。

 さて9月2日、ゆかた会当日。
今まで感じたことのない緊張感のなかでの演奏には、ミスもありましたが多くの拍手をいただきました。そして、これからも勉強を続けようと改めて決心した日にもなりました。
 今回のプログラムでは『星涼之賦』『華舞歳々』にも出演させていただきました。
『星涼之賦』は、向日葵会でいつもお世話をかけている仲間5人での箏5重奏。『華舞歳々』は、野村幹人先生も尺八に加わっていただき、太鼓の水野美幸さんの賛助で盛大なフィナーレとなりました。

 全部で13曲の演奏のほか、受付・舞台・調絃・司会などの係も、向日葵会すべての門下生の仲間の協力で会は成功裏に終了しました。

319 19  ちびっこたちのインタビュー

319 20  華やかな合奏「華舞歳々」

 中学入学を機に箏入門、その後、進学や就職を経て、箏にはゆっくり向き合うことができない日々が続きました。今は、自分自身にも少し余裕ができ、忙しく仕事をする中でもお箏の音色に癒され、練習する時間ができたことに幸せを感じています。
 自分がこれほど長く続けられているのも、お箏の楽しさを教えてくださる小島先生の熱意のおかげと感謝しています。独奏の機会と暖かいご指導をいただき、ありがとうございました。

(小島君代門下・師範・岐阜市)

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