野村峰山・人間国宝に!(重要無形文化財「尺八」(各個認定))
重要無形文化財「尺八」(各個認定)
野村峰山・人間国宝に!!
(芸能の部)
野村峰山氏は、伝統的な尺八の演奏技法を高度に体現する演奏家として活躍し、卓越した技量を示している。また、斯界の発展及び後進の指導・育成にも尽力している。(文化庁発表より)
文化庁HPより解説
重要無形文化財の指定及び保持者の認定
芸能の部(各個認定)
尺八 野村峰山
「尺八」は、昭和57年4月20日に重要無形文化財に指定されたが、平成30年8月21日、保持者の逝去により指定が解除された。今回、改めて指定するとともに、野村氏をその保持者として認定するものである。
重要無形文化財の指定について
①名称
尺八
②重要無形文化財の概要
尺八は竹製縦吹きの管楽器の一種で、雅楽に使用した「古代尺八」、一般的な尺八より短く、近世に流行した「一節切」、普化宗で用いた「普化尺八」、さらに普化尺八を基にした「新尺八」などがある。古代尺八や一節切による演奏伝承は途絶えたが、江戸時代に普化宗の法器として普化僧(虚無僧)によって演奏された普化尺八は、江戸時代中期に初世黒澤琴古によって集成され、これが琴古流の系統となった。
江戸時代には尺八を一般には奏することが出来なかったが、明治4年に普化宗が廃されて後は、広く人々によって愛好されるようになり、洗練された。息遣い、指遣い、首の操作などによって様々な音色、音の強弱や揺れなどを作り出し、精神性をも感じさせる表現を創出する。尺八本曲の演奏に加え、箏や三絃との合奏も行われ、日本伝統音楽の一つとして特色を発揮している。流派には、琴古流や都山流をはじめ、上田流、竹保流などがある。
以上のように、尺八は、芸術上特に価値が高く、我が国の音楽史上特に重要な地位を占めるものである。
人間国宝(にんげんこくほう)とは
日本の文化財保護法第71条第2項に基づき文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として各個認定された人物を指す通称。文化財保護法には「人間国宝」という文言はないが、重要無形文化財の各個認定の保持者を指して人間国宝と呼ぶ通称が広く用いられている。
毎年1回、重要無形文化財の保持者の死亡による認定の解除数、芸能及び工芸技術の分野の実態等を踏まえて、有識者により構成する文化審議会の専門調査会における専門的な調査検討を受けて、文化審議会の答申に基づき、文部科学大臣が保持者や保持団体を認定。
今回の答申を受けて、重要無形文化財の指定件数は七五件、保持者数(各個認定)は一一〇名となる。総合認定では芸能の部の指定件数及び保持者の団体数が14件、工芸技術の部の指定件数及び保持団体数は16件となっている。
- 2022.10.01