各地の活躍 ~うたまくら340号より - 正絃社

各地の活躍 ~うたまくら340号より

各地の活躍 *写真はクリックで拡大します。

 野村峰山 重要無形文化財決定初ステージ

 昨年10月4日、宗次ホールで開催された正絃社合奏団による「箏に舞う!~舞踊とともに~」では、野村峰山重要無形文化財認定発表後、初の舞台とあって入場券は完売、満員御礼のコンサートとなりました。

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宗次ホールオーナー宗次徳二様とともに

 オープニング曲は全員出演で、秋の風物・砧を題材にした山田流の「岡康砧」。幕がない会場のため、レディファーストで正絃社合奏団出演者が退場し、最後に残った野村峰山が立ち上がると、客席から満場の拍手が沸き起こりました。
 続いては、宮城道雄名作の「落葉の踊り」演奏者ひとりひとりの力が発揮される力演でした。(箏:岩瀬直子、三絃:川勝ももこ、十七絃:水野優子)
 3曲目、野村正峰「たまゆら」に日本舞踊・花柳朱実先生が登場。亡き人を想う心情が舞踊に表現され、中間部は演奏を聴かせる演出で舞台から去ると、あっという間の早変わり。後半では故人に花を手向け、悟りを得て祈る曲想が描かれました。(箏:鈴川悦代、三絃:野村祐子、尺八:野村峰山)

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「たまゆら」リハーサル


 後半の曲では、全国で愛される野村正峰作品の中でもバイブル的存在の「篝火」。当初フルートのために作曲された、その高度なテクニックを尺八で演奏する人間国宝にまたまた拍手喝采。(第一箏:川勝ももこ、水野優子、第二箏:佐野亜子、兼岩展子、尺八:野村峰山)
 野村峰山・祐子のデュエット「紫の幻想」の次には、フィナーレ曲「Shall We Dance?」で、意表をついた洋楽のアレンジに日本舞踊で客席は大盛り上がり。曲中で何度も拍手を受け、花柳先生曰く、
「こんなに(曲の途中で何度も)拍手を頂いたことは初めて!」
アンコール曲「アメージンググレイス」、「歓喜の歌(第九より)」にて終演しました。

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アンコール

 もっと聴きたいかたは、令和5年1月27日、宗次ホールにての「野村峰山人間国宝認定記念コンサート」をお楽しみに!

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都山流岡山県支部第55回演奏会

 昨年10月30日(日)、岡山市民会館ではコロナ禍のために2年延期で待ちわびた、右記演奏会が開催されました。
 前半のプログラムは地元社中の出演、後半プログラムのゲスト曲に、野村峰山の尺八独奏曲「甲乙」、野村祐子と地元の渡谷元子さんを助演に野村祐子作曲「桜花三章」「花二題」が演奏されました。

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岡山県支部演奏会にて渡谷元子社中の皆さんと

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・東海テレビ文化賞の取材

 野村峰山重要無形文化財認定に加えて、東海テレビ文化賞受賞が決まり、東海テレビの取材クルーが岡山でのゲスト楽屋入りから密着取材。演奏舞台やインタビューが後日行われた東海テレビ文化賞顕彰式とともに、11月17日、東海テレビ特別番組にて紹介されました。

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東海テレビ文化賞顕彰式

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インタビュー撮影

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・丸八会の顕彰

 また、このほか野村峰山は丸八会(東海地方財界人の団体)からの顕彰を受けました。今後、人間国宝としての活躍が大いに期待されているものです。

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丸八会顕彰

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はげましの言葉

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 公益社団法人 日本三曲協会定期公演
 秋季三曲名流演奏会

 野村峰山・祐子夫妻が都山流岡山県支部に出演の同日、東京国立劇場小劇場にては右記演奏会が開催され、正絃社関東地区幹部会員を主体に、東北・東海地区から応援も駆けつけ、尺八には関東尺八クラブの協力で、野村正峰作曲「錦秋」を演奏しました。
 コロナ禍のもと感染対策の中でようやく再開した同協会定期公演ですが、国立劇場もいよいよ建て替えが決定し、日本三曲協会定期公演が国立劇場で開催されるのも来年度までとのことです。権威ある会場での演奏は残り少ない機会になりますが、このような機に関東地域での正絃社の活動を、さらに広めたいと願っています。

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国立劇場楽屋にて勢ぞろい

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やっとかめ文化祭2022
「芸どころ」の源を辿る
~千利休とその周縁から~
  弦楽の調べ 
    和洋でめぐる御当地縁起

 利休生誕500年に因み、和洋共演で利休の時代を描くコンサート。昨年11月12日(土)、青少年文化センター・アートピアホールにて開催されたやっとかめ文化祭のコンサートでは、第1部で名古屋芸どころ縁起として「蓬莱島縁起」(野村正峰・作詞 野村祐子作曲)、「~作もの茶音頭~御茶紀行」(舞林紋呂作詞・野村祐子作曲)、「鯱の城」(野村正峰作曲)を演奏。幕間には、松本ありさんの語りと振り付けで芸どころをナビゲーション。

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「蓬莱島縁起」

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「御茶紀行」

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「鯱の城」

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松本ありさんの語りと舞


 第2部のプログラムでは、山本雅士指揮によるセントラル愛知交響楽団との共演で西洋音楽史以前の「グレゴリア聖歌」から始まり、「ルネサンス組曲」(スザート)、「主よ人の望みよ喜びよ」(J.S.バッハ)、最後に八橋検校(1614-1685)作曲「六段の調べ」の各段を和洋取り混ぜてアレンジ。アンコールでの和洋共演は「さくらさくら」。和楽器の音色が西洋音楽によく合い、楽しい出会いのコンサートでした。
「蓬莱島縁起」と後半のオーケストラ共演では、細川華鶴子さんの琵琶語りで曲間を埋め、演奏が途切れることなくスムーズに進行しました。
 また、「春の公演」同様に、字幕で歌詞やタイトルを投影し、解りやすいと好評でした。

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和洋共演

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細川華鶴子さんの琵琶

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関西邦楽作曲家協会作品発表会

 コロナ禍のなか、一昨年から再開した右記協会作品発表会、令和4年12月3日の発表では、菊重精峰、狩谷趣譲(二代狩谷春樹あらため)、小石教夫、酒井雅邦、砂崎知子、野村祐子、吉田興三郎、熊代七恵各氏が作品を発表。野村祐子作品は「令和福寿楽」でした。

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出演者一同

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演奏会できました  唐橋 セツ子

 10月10日、久しぶりに演奏会を開くことができました。
これまで1年おきに開催していたのですが 昨年はコロナの影響で延期したため 3年ぶりの開催となりました。

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演奏会風景1

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演奏会風景2

 会員の皆さんは、
「久しぶりの演奏会 緊張する!」
「演奏よりマスク外して人前に出るほうが もっと緊張する!」
と言いつつ、
「演奏会があると思うと励みになって、今までで一番練習しています。」
と、張り切って準備をしました。
 コロナ禍で「何処にも出かけられないけど お稽古は出かけていきます。」と、心強い言葉。
そしてこんな自粛ムードの中20年ぶりにお稽古を始めた方、久々に20代の方の入門、と嬉しいことも続きました。
 会場の喜多方プラザ文化センターは感染症対策として、全館常時換気ができる空調に変わり、 合同練習、本番と安心して行えました。
 プログラムは「六段の調べ」、「さくら・21」、「秋のうた」、「紫の幻想」、「回転木馬」、「まりと殿様」、「八重垣」の7曲です。
 1時間半程の演奏でしたが マスクをはずしての演奏の心地いいこと・・・、片付けで再度マスクをつけた時の息苦しさ。早く安心してマスクから解放されたいものです。
 お客様も楽しみにしてお出かけくださり 中には着物を着てお出でになり「この日を待っていました。」と言っていただきました。
 最後のお見送りの時にはロビーには笑顔がいっぱい。まだまだ地元では大勢の人が集まることに賛否はありますが、感染対策を施設側とも相談しながら、思い切って開催しました。協力してくださった方々には、感謝するばかりです。   
 このコロナ禍に打ち込めるものがあり、人と繋がっていることができたこと、心から「楽しかった。」と演奏ができたこと、本当に幸せです。
 会員一同、これからも楽しくお稽古を続ける励みとなった一日でした。
  (喜多方市・直門・大師範)

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