お便りより ~うたまくら341号より - 正絃社

お便りより ~うたまくら341号より

お便りより

街角コンサート       小 島 君 代

 昨年12月18日(日)、岐阜少年少女琴クラブは岐阜市ハートフルスクエアGの街角コンサートに出演しました。
 この琴クラブは、知り合いの皆さんの協力をいただき岐阜市青少年会館にて一九八二年、夏休み講座として発足しました。以来、クラブ活動を続け、1999年の子どもたちのアメリカ演奏旅行を機に、岐阜少年少女琴クラブと改称し今に至っています。
 今回の街角コンサートでは、同じく岐阜市でご活躍の水野あい子社中の皆さんと合同で行い5曲演奏しました。
琴クラブでは「瀬音」(宮城道雄作曲)、「翊―あくるひ―」(橋本みぎわ作曲)、「クリスマスソングメドレー」(野村祐子編曲)を演奏。
「クリスマスソングメドレー」では会員の弟・妹が鈴で参加した賑やかな演奏で、立ち見が出るほどの満員の観客となりました。出演者のユニホームのドレスも好評で、子どもたちの笑顔が印象に残りました。
 今後も子どもたちと一緒に頑張っていきたいと思います。    

(少年少女琴クラブ講師)

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街角コンサート *写真はクリックで拡大

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箏の授業を受講して  中 西 桃 萌

 音楽大学で必須科目のため箏の授業を半年間受けましたが、箏を学習して主に気がついたことは、音程を自分で調整する難しさです。私自身はピアノを専攻しており、よく言えば調整する必要のない整った音色、悪く言えば音程に関しては没個性であると言えると思います。たとえどのようなレベルの演奏をする奏者が弾いても、同じ音程を奏でることができます。
 しかし箏は柱の部分を動かして、毎度、自分で音程を調整する必要があり、しかも一通りではないのです。主に平調子、楽調子、乃木調子など…。自分で音程を作るには、耳が必要です。ヴァイオリン奏者などの弦楽器も、クラリネットなどの木管楽器も、オーケストラなどでは曲が始まる前に毎度音程を揃えています。なので私たちよりは箏での調弦も容易だったかもしれません。しかし普段、調弦の経験がない私たちピアノ奏者からしてみれば、初めての経験なのです。難しくも面白いこの調弦を、箏を演奏する上で経験できてすごく興味深かったです。
 その他にも、曲そのものが、ほぼクラシック音楽だけを演奏してきた私にとって、すごく新鮮なものでした。正確な拍子が存在しないこと、曲調、単旋律を奏でることの難しさ…。他にも驚いたことは、一度奏でた音に後から工夫を加えることです。やはりピアノでは、一度その鍵盤を押した後何か操作することといえば、音の消え方をペダルを使用して滑らかにすることなど、一度発音したものをどうにかするという発想はほぼ存在しません。しかし、箏では絃を一度押さえてから余韻を揺るがせる奏法や、絃を引き緩める奏法というのは、普段できないことだからか、とても感動的で、その響きがとても日本的に感じました。
 今回学んだのは箏のみでしたが、他にも学んでいたら、きっと面白かったのだろうなと思います。ピアノと同じ、指で演奏する楽器なので、よりピアノとの差異を感じられて面白かったのもありますが、吹く楽器である尺八や、楽器を持って弾く三味線などは、どちらかというと奏法は、それぞれクラリネットやヴァイオリンと近しいものを感じます。なので、普段そのような体勢では演奏をしないからこそ、一度演奏してみたいなぁという気持ちはあります。
 今年度の講義で、何度か先生の箏を拝聴する機会がありました。そう簡単には演奏できないような難しい曲もたくさん聴くことができて、本当に嬉しかったです。あまり箏に詳しくないからか、そんな難関な楽曲が存在することを知らず、あまりの難しさ(素人知識ですが、私が苦労して行っている、左手で押さえて音程を変えるものや、柱自体を演奏中にずらして音を変えるなどの難しいことを、軽々とやっていらっしゃったので)に本当にびっくりしました。恥ずかしいことに、日本音楽の深い歴史をあまり知らず、勉強途中なので、また次に箏に触れられる機会があることを信じて、日本音楽の勉強を続けたいです。半年でしたがとても楽しかったです。ありがとうございました!

(愛知県立芸術大学ピアノ科3年)

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