幹部会便り ~うたまくら346号より
幹部会便り
初夏の合奏研修会に参加して 竹 山 律 子
竹山律子さん
薄曇りの6月9日でしたが、初夏の合奏研修会が正絃社会館で開催されました。
午前の部「さむしろ(在原勾当作曲)」、午後の部「夏の歳時記(野村正峰作曲)」が課題曲で、私は「さむしろ(箏)」に参加させていただきました。
野崎緑幹部会長と秀子先生
最初に野崎緑幹部会長からご挨拶ののち、箏担当講師の祐子先生から古典曲演奏の心得について説明があり、その後、詳細な実技指導が行われました。祐子先生は「さむしろ」に対する演奏家や作曲家としての多角的な考察を共有しつつ、「時には自身の直感に従って演奏してください」というアドバイスもくださいました。
また、祐子先生は「地歌は三味線で歌う曲ですので、箏は伴奏です。『三味線ファースト』で箏を弾いてください。」と言われました。『三味線ファースト』という言葉は、私が以前師事し、昨年逝去された岡山正絃社の能村青子先生(会主・渡谷元子先生ご母堂)も常に強調されていたことです。
「さむしろ」合奏
研修会の最後には、箏(8名)と三絃(13名)が合流し、尺八の幹人先生が加わって秀子先生が見守る中で三曲合奏を行いました。三曲が織りなす美しい掛け合いは、個人練習では味わえないもので、一体感と達成感を味わうことができました。合奏の難しさはありましたが、皆で一つの曲を完成させる喜びは格別でした。
別室で三絃の指導をされていた哲子先生からは、合奏のあとで音節・歌詞を意識した歌唱法をご指導くださり、箏・三絃の両方に参加できなかったことが悔やまれました。
三絃担当の哲子先生
皆を見守る秀子先生
現在ドイツに在住し、現代曲の演奏がメインとなっていますが、この研修会を通じて改めて古典曲の奥深さと面白さを発見しました。今後も継続して練習を重ね、さらに技術を磨いていきたいと思います。また、このような研修会に是非参加したいと考えています。今回の経験を糧に、箏の魅力を世界中の多くの人に伝えていけるよう、努力していく所存です。
非常に充実した時間を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
余談ですが、7月に生徒達と箏曲小曲集からジブリの曲を演奏します。ドイツ人の生徒も一生懸命練習しています。(西ドイツ在住・渡谷元子門下・師範)
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「夏の歳時記」合奏研修会に参加して 森 恭 子
森恭子さん
「初夏の合奏研修会があるから参加しない?}と岩瀬直子先生に誘われ、さらに「研修会だから…」の一言で、三絃のパートの申し込みをお願いしてしまいました。すると、今回の合奏研修会は人気があり、人数制限のためキャンセル待ちの申し込みが出たほどと聞き、どのようなことになるのかと、少し複雑な気持ちになりました。
でも、合奏研修会の参加が決まってからは、同門の山本由美子さん、真野みどりさん、今回参加できなかった矢内君子さんと、パートは違いますが一緒に、岩瀬先生のもとでお稽古して合奏会に備えました。
今回の研修会の曲は古典の「さむしろ」と野村正峰先生作曲の「夏の歳時記」の2曲ですが、私が参加する「夏の歳時記」は大掛かりな編成で、第一箏、第二箏、十七絃、三絃、尺八から成り、三絃パートは2部に分かれています。
研修会では、まず箏・十七絃パートと三絃パートに分かれ、箏・十七絃の講師が祐子先生、三絃の講師は哲子先生でした。
さて三絃の研修は、いきなり転調する部分から始まりました。苦手な部分は多々ありますが、転調は特に苦手な所でしたので心の中で「やばい、どうしよう・・・」と思いましたが、哲子先生は、それから三絃の構え方・撥の使い方・弾く位置・弾き方など、基礎的なことから丁寧にわかりやすく教えてくださいましたので、ほっとしました。
「夏の歳時記」三絃研修
「夏の歳時記」合奏
研修の後半は、箏・十七絃・尺八・三絃全パートそろっての合奏で、正絃社会館のフロアに溢れそうなくらいの人数で迫力のある合奏になりました。他のパートを聴きながら、哲子先生に教えていただいたことに気をつけて頑張りました。
やっぱり全部のパートがそろうといいですね! 久しぶりの正座で足がシビレましたが、素晴らしい、楽しい合奏研修会に参加して得るものが多くありました。(知立市・岩瀬直子門下・助教)
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幹部会お知らせ
〇幹部会本部
幹部会本部では6月に正絃社会館にて合奏研修会を行い大盛況でした。秋には音楽プラザにての教授会講習、新曲講習会がありますので、ぜひ、参加ください。各地での活動も活発になってまいりましたので、邦楽界が盛り上がるよう、皆さんで応援していきましょう。
〇関東支部
関東支部では今年3月に合奏研修会を行い、4月の「日本三曲協会演奏会」出演でその成果の手ごたえを感じることができました。秋には「都山流多摩幹部会演奏会」の出演など各地のイベントも多くなり地域での活動には、これまでの研修の成果が発揮できることと確信しております。支部としての行事は来年に向けて計画してまいりますので、その折々のご参加よろしくお願いいたします。
正絃社関東尺八倶楽部とともに合奏
〇東北支部
東北支部では5年ぶり、夏の合宿を7月14・15日、東北新幹線・くりこま高原駅のエポカにて行います。今回の研修には、合奏ばかりでなく楽理講習も組み込みました。夜には野村峰山先生もオンラインで参加していただく祝賀懇親会を用意しています。久しぶりの親睦のひとときをお楽しみください。
〇東北支部合宿
日 時 令和6年7月14・15日(日・月)
会 場 エポカ(くりこま高原駅前)
講 師 野村祐子 野村哲子
野村倫子 野村幹人
講習曲 岡康砧 眠れる春 胡笳の歌
富士之国 夜桜の下で
春景八章 小曲集 楽理講習
◎詳細は各支部よりのご案内をご覧ください。
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営業時間短縮中
正絃社本部では、感染防止対策により、営業時間を次のとおり短縮しております。ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
〇営業日
月・火・木・金
午前11時~午後7時まで
〇休業日
水・土・日・祝日
- 2024.08.23