野崎緑 - 正絃社

野崎緑

夢の舞台

野崎 緑
野崎 緑

人生は、人と人の出会いで決まるとも言われます。7歳のとき、友人宅でお箏に触れた感動を機に、「お箏を習 いたい!」と、強く願っていた私は、何かしら大きな波に引き寄せられるように、野村正峰先生、秀子先生という偉大な作曲家ファミリーと出会うことに! こ の出会いは、私の人生に大きな影響を与えました。
希望を持ち、夢を実現されていく両先生。厳しいお稽古。やさしい笑顔。箏以外のことでも、人の長所を見つけて伸ばしてくださいました。
昭和33年(1958)、私の入門の1年前、会員たった7名で、愛知文化講堂(現・愛知県芸術文化センター)で野村箏曲教室の第一回目の演奏会の開催。戦後13年の当時は、まだまだ社会全体は灰色の景色の時代でしたが、その時の舞台写真を見た私に衝撃が!
正峰先生はタキシード姿で指揮、秀子先生は中央で、オペラ歌手のようなゴージャスなドレスで歌。斬新で、華やかで、まさに夢の舞台。

タキシード姿で指揮をする正峰
タキシード姿で指揮をする正峰

それから5年後、会員の増加に伴い正絃社が設立。正峰先生の作曲活動、聴いても弾いても楽しい楽曲の数々。理解しやすい解説、見やすい楽譜、理論勉強のた めの楽理の本、スマートな立奏台、華やかな舞台衣装…。すべては正絃社会員が、舞台で華開くようにと、愛ある創意工夫で考案されたものです。
私の夢も、いつかは華ある舞台!
2000〇年、入門して41年目、念願の開軒三十周年記念コンサートを開催。今は亡き両親に親孝行もでき、演奏はもちろん、舞台の企画演出、照明、音響などすべて、「春の公演」実行委員でのお仕事を参考に、夢が実現し、多くを学び、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
創立四十五周年を迎え、我が恩師の志を受け継がれ、邦楽界の枠を超えて進化し続けている祐子二代家元と哲子、倫子両補佐が、初代家元がそうであっ たように、尊敬され、かつ会員を愛し愛されている家元ファミリーに、ご子息幹人さんの新ファミリーも加わり、今後、どんな夢舞台が実現となるか、今からワ クワクします。
今年、私も、ささやかに再び夢舞台を計画中。
5月30日(日) 、開軒四十周年記念コンサートを、家元ファミリーをゲストに、門下生と、二人の娘たちとの共演。ぜひ、ご来場、応援よろしくお願いいたします。

(前幹部会長)

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