幹部会便り ~うたまくら347号より
幹部会便り *写真はクリックで拡大
5年ぶりの合宿 竹 内 祥 子
去る7月14・15日、宮城県栗駒町《エポカ21》にて5年振りの東北正絃社夏の合宿が開催され、お家元祐子先生をはじめ哲子先生、倫子先生、幹人先生と言う豪華指導陣に、北は北海道、南は福島から総勢47名の参加。そして、今回の研修曲は『岡康砧』や『胡笳の歌』『眠れる春』など10余曲。
「眠れる春」大合奏
実は役員の皆さんは、この日のために2ヶ月前から準備されてきました。思いがけない助っ人は幹人先生、前日の楽器搬入に力を貸してくださいました。
さて初日の朝8時半、私が会場に到着した時には、前日入りの祐子先生と役員の古川靖子さんが既に打ち合わせ中。役員を交代された小野寺ルミさんも名札や配布資料の準備、研修会場の楽器など数の点検。
10時に哲子先生、倫子先生のご一行到着。同じくして支部長の方々が到着、開会式が始まりました。開会式ののちは、午前1コマ、午後2コマと予定通り進み、あっという間に1日目の研修は終了。午後6時半からはお楽しみの宴会で峰山先生がリモートで出席されて紫綬褒章受賞のご挨拶。宴会のメインは私たちのいちばんの楽しみのお家元ご一家の演奏、美しい音色に心温まりました。しめくくりの集合写真は皆、笑顔です。
懇親会にて全員集合
思い起こせば、私の初めての合宿参加は20数年前。子ども二人との参加で、当時、下の子はおんぶで眠るような幼な子。お元気な正峰先生、先生方はじめ多くの皆様が声を掛けて遊んでくださり、大変お世話になりました。その子どもたちも既に成人。長い年月、多くの皆さまにお世話になったことを改めて感謝しました。
2日目の研修も、すべての会場から熱気あふれる箏の音が響き、私は胸が熱くなりました。
コロナ禍で5年間もの間、合宿の開催見送り。今回は復活の第一歩として素晴らしい内容だったのではないかと思います。
お家元はじめ先生方、会員の皆さま、大変お疲れ様そして、ありがとうございました。まだまだ未熟ですが、今年から役員の末端に名を連ねることになりましたので、今までお世話になったことを少しでも恩返しできるよう、微力ながら頑張りたいと思います。
どうぞ、宜しくお願いいたします。
(石巻市・助教・福原順子門下)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
初めての研修合宿 松 村 晴 子
日頃ご指導くださっている古畑瞳先生から楽理講習の受講を勧められ、去る7月14・15日、正絃社幹部会東北支部主催の研修合宿に札幌から4名(古畑理絵、松田朝香、山野早紀、松村)で参加させていただきました。
不慣れで色々とご迷惑をおかけしたにも関わらず、東北支部の皆様には終始温かく接していただき心より感謝申し上げます。事前の問合せに際しても丁寧にご対応いただき、おかげさまで安心して当日を迎えることができました。
開講式を経て、早速「眠れる春」のお稽古へ。祐子先生の表現や弾き方のご指導や、幹人先生の十七絃と尺八の二刀流に圧倒され、1時間半があっという間でした。
午後の「楽理講習」は祐子先生による「風の踊り子」演奏に始まり、様々な曲の実演を挟みつつ音階・リズムなどを学びました。一人ずつ実際にお箏の前で手を取ってご指導いただいたことは、大変貴重な体験でした。
楽理講習
夜の懇親会は、ゲーム企画や祐子先生・哲子先生・倫子先生・幹人先生によるお箏・十七絃・尺八の四重奏を聴かせていただけるなど、とても賑やかで楽しいひとときでした。また、峰山先生と秀子先生がオンラインで登場された時には会場がひときわ華やぎました。
二日目は「富士之国」の強弱や細かいフレーズの弾き方、「胡笳の歌」の尺八の音色を聴きながら弾くポイントなど、祐子先生・倫子先生の手元を見つつメモを取るうちに午前の部も終了。交通機関の都合で早退せざるを得ず、片付けに参加できず申し訳ありません。
「富士之国」大合奏
各講座を通して、様々な調子に合った弾き方などを教えていただいたことで、新たな気付きがたくさんありました。また、理解が深まるようにイメージしやすい例えを用いて教えてくださったことなどが非常に印象に残っています。たった二日弱とは思えないほど内容の濃い研修会で、多くを学ばせていただきました。
優しく丁寧にご指導くださった先生方、そして貴重な機会を与えてくださった東北支部の皆様、多岐にわたりご配慮いただき誠にありがとうございます。今回教わったことを実践していけるよう精進してまいります。
(札幌市・古畑瞳門下)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
久しぶりの楽理講習と夏の演奏会 湊 紀 子
祐子先生の講習が近くで開催されることがあったら、いつか参加してみたいと常々思っていました。仕事の都合もあり、なかなか機会がなかったのですが、8月20日のなかにし楽器での楽理講習、これにはぜひ参加せねばと申し込みました。
期待の若手・秋田麻歩子さん(渡谷元子先生のお嬢様)も一緒に受講とのことで少し安心、事前に大昔の記憶を掘り起こそうと秀子先生著「教養のための箏の常識と楽理のお話」テキストを取り出しました。
さて、確認できたことは、内容をすっかり忘れていることだけでした。この状態で参加して、大丈夫か!?他の受講者の方に迷惑をかけるのではないか、どんな難しいことをお話しされるのか相当不安なうえ、行ったことのない場所での開催で、たどり着けるのかも不安。
こんな中で始まった受講でしたが、内容はとても分かりやすく祐子先生の実演付き。丁寧な説明で長年の疑問も解消、大きな収穫でした。
それは音階を意識すること。これにより押手の半音、あるいは一音の必要な高さ(押しの強さ)がわかること、転調により曲のイメージを変えること。これは長い間、自分の中ではぼんやりと感覚的で雰囲気的なものであったのが、ちゃんとした理由があってのものであると理解できました。
楽理と聞くとたいへん難解なものと思っていましたが、調絃、演奏にとても役に立つと実感しました。また、初心者の方に指導する際の参考などとても楽しく、もう少し詳しくお聞きしたいと思いました。
そして、晩夏の8月25日は倉敷市で毎年開催の「くらしきジュニア伝統芸能祭」(高校生以下の出演者による演奏会)のお手伝い。フィナーレでは祐子先生の作詞作曲「倉敷えーとこ巡り」の演奏。歌、踊り、太鼓ありの楽しい曲です。歌詞は、固有名詞がなくとも、「ああ、あれのこと!」と連想できる倉敷に因む内容に、馴染みやすいメロディで、出演の子供たちも楽しそうに歌い演奏していました。
今回の楽理講習で改めて知ることのできた、箏の持つ表現力と楽しさを若者にも伝えることができれば良いと思います。
(渡谷元子門下・大師範・倉敷市)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
教授会合奏講習会に参加して 中 根 花 織
大型の台風10号が東海地方へ最接近すると一週間前から連日報道される中、自転車並みにゆっくり北上する台風にやきもきさせられながら、開催日の9月1日を迎えました。
当日は熱帯低気圧に変わり、金山駅近くの名古屋市音楽プラザ周辺では激しい大雨もなく、持参する三絃のことを考え、ほっとした次第、しかも参加予定者は全員出席でした。
今回の講習内容は、新曲の「子供のための嬉遊曲」と「夏草の賦」「みなかみ詩情」の3曲。講習会への参加が決まってから、伊佐治美和子先生のもとで毎回お稽古をさせて頂きました。
箏・十七絃・三絃は祐子先生が講師で、尺八は峰山先生、間近で指導くださる貴重な機会です。
峰山先生と尺八の皆さん
迫力の合奏
まず1曲目は「子供のための嬉遊曲」で私は三絃に参加したのですが、4名だけでしたので少し緊張しました。途中の三絃ソロ部分アドリブのために当日配られたのは、「津軽幻想」の三絃独奏の頁で、急なことでもありましたが、とても素敵な曲なのに上手く弾けずに悔しかったです。伊佐治先生にのちほどゆっくりと教えて頂きたいと思いました。
三絃は4名、右端中根さん
次の「みなかみ詩情」は、中学生の時に習ってから大好きな曲の一つで、たびたび一人で弾き返していました。この講習会で曲について、第1楽章から第4楽章までの音階の説明や、起承転結にまとめられていること、それぞれの楽章の構成や情景などの説明を受け、大変勉強になりました。合奏では、題材となった奥入瀬渓流の景色を思い浮かべながら(行ったことはないので想像ですが)弾くことができました。
「夏草の賦」では、秀子先生より正峰先生が作曲された当時のエピソードを伺い、とても感慨深くなりました。正峰先生が作曲されているご様子が目に浮かび、曲に対してより一層親しみが沸いた気がしました。ことに惹きつけられたのが冒頭の尺八の独奏部分で、峰山先生はもちろんのことですが、他の尺八の先生方の演奏の仕方にも違いがあり、興味深く聴き入りました。
秀子先生
普段のお稽古では、伊佐治先生と娘の3人での合奏はあっても、今回の講習会のように大勢で、ましてや尺八の先生方と演奏することは全くないので、このような大きな会場で多くの方と演奏ができ、たいへん有意義で楽しい講習会でありました。
まだまだ奏法が拙く未熟で、これからもっともっと精進したいと心に誓って会場をあとにしました。ありがとうございました。
(伊佐治美和子門下・准師範・岡崎市)
- 2024.11.15