【310号】2015春の公演 多くの感動とともに/野村祐子 - 正絃社

【310号】2015春の公演 多くの感動とともに/野村祐子

 

2015正絃社創立五十周年記念

2015春の公演 多くの感動とともに 二代家元 野村祐子

 多くの皆様のお力添えのおかげを持ちまして、正絃社創立五十周年記念「春の公演」を、華やかに開催できましたことを、心より厚く御礼申し上げます

父・野村正峰とともに歩んでこられた方々におかれましては、五十年以上の道のりを、感慨深く振り返られたことと思います。

この年月に培われた正絃社には、人材という大切な財産があります。父は、日本の伝統音楽とともに、日本の心を私たちに教えてくれました。箏曲を音楽教育としてだけでなく情操教育として、「人」が育つことを願い、創作の題材にも古典、歴史、社会や季節の情感など、現代に生きる私たちが、日常生活の中からも興味を持って幅広く学べる内容を選んでくれた深慮を有難く感じます。

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家元一家も勢揃いのオープニング「七福神宝船」

 

今回の「春の公演」では、次代の邦楽への想いを込めて、「温故育新~古きをたずね、新しきを育む」と銘打ち、正絃社の未来を委ねる人材育成を心掛けてまいりました。これに応えるかのように、多くの会員の方々が、練習に励むばかりでなく、いろいろな準備にも、舞台を支える裏方の仕事にも、惜しみなく協力してくださいました。こうして皆が力を合わせてきたからこそ、多くの感動が生まれる舞台が出来上がったと感謝しております。

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山登松和先生の歌に感動の「きさらぎ」

 

司会の葛西聖司様はじめ山田流の山登松和先生、大阪よりの永廣孝山先生、お馴染みの水野利彦先生、今回初の地歌舞・山村楽乃先生、尺八にはふぁみりーの野村峰山と都山流有志の方々、ご遠方から駆けつけてくださった皆様、舞台の陰になって支えてくださった多くのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

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水野利彦氏・永廣孝山先生とともに「乾坤歌」

 

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演奏を引立てる名司会・葛西聖司氏 / 山村楽乃師の地歌舞「黒髪」

 

回り舞台が恒例となった「春の公演」ですが、昭和47年、名古屋市民会館(現・日本特殊陶業市民会館)の開館初めての「春の公演」は、回り舞台のない大ホールでの開催で、舞台転換に苦労した記憶があります。それ以前の公演は、やはり回り舞台のある中日劇場で開催していたのですが、市民会館中ホールの回り舞台の方が大きいので、舞台に出演者を多くのせることができるため、定期公演会場を名古屋市民会館へ移したのでした。

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照明も美しい「大河」のふぁみりー演奏

 

また、今回はプログラムに取り上げませんでしたが、正峰作曲「回転木馬」は、回り舞台を回しながら演奏する演出のために作曲されたものでした。次回、4年後の「春の公演」には久しぶりに上演したいものと、今から密かに計画を練っています。

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春の公演での「回転木馬」

 

2008年までは2年ごとに定着した「春の公演」でしたが、前回2011年、今回2015年、としばらく間を空けた開催となりました。今後の開催年は、オリンピックに見倣い、4年ごとの開催として、周年記念には正絃社創立70周年(2035年)を目指してまいります。どうか皆さま、お身体を大切に長生きされますよう、お願いいたします。

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家元・峰山の「春の海」アンコール

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