【344号】うたまくら 2024年新年を迎えて - 正絃社

【344号】うたまくら 2024年新年を迎えて

2024年新年を迎えて
                  野 村 祐 子

 令和初めての新年を迎えた2020年に始まった世界的なパンデミックから丸4年、コロナウイルスがようやく収まり、いろいろなイベントが再開され社会活動が戻ってきました。
しかし、今もなお戦乱が続く国や大きな自然災害、思いも寄らない事件の報道などに、平穏な日常生活が不意に乱されるかもしれないという不安を抱えているように思います。
 とはいえ、いつ起こるか判らないことにクヨクヨしていては毎日が楽しくありません。目標を持って自分を磨くこと、何かに夢中になることが日常生活の中の張り合いです。
 昨年を振り返り、今年の抱負を挙げて充実した一年を過ごしたいと思います。

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関西邦楽作曲家協会作品演奏会にて


・日本三曲協会派遣事業
 日本三曲協会では伝統文化を若い世代に広めるため、学校箏曲部での講習に講師の派遣を行
なっています。この制度を利用して愛知県の高校から依頼があり、昨年11月に指導に行きました。約2時間の講習で、前半は古典に触れる目的で「六段の調べ」の鑑賞と指導、仕上げに十七絃、三絃、箏替手と合奏。後半では箏曲部からの希望曲を指導し、強弱、配置などを試みて違いを弾き比べ、最後に講師による演奏の鑑賞で締めくくりました。学校の部活だけで終わらないでほしいと願っています。

・小学校の体験授業
 高校指導の翌週には小学校での箏の体験授業へ。名古屋市教育委員会の「その道達人事業」による派遣で1クラスの人数が25人~30人の5年生、6年生4クラスの指導でした。
学校備品の箏は3面で、体験は8~10人に1面の割合で交代です。
 箏について、「六段の調べ」「さくら」の簡単な説明と鑑賞の後、体験の曲は「かえるのうた」。調絃をドレミの音階に合わせると順番に弾け、曲も短いので早く交代でき、子どもたちも満足顔です。先生方にも体験していただきました。子どもたちが楽しんで、いつかまた弾いてみたい、と思ってくれるといいのですが。

・お別れ会
 九州を本部に広く国内外でご活躍の筑紫会では、昨年9月2日、二代目ご宗家筑紫美代子先生が満97歳でご逝去され、お別れ会が12月1日オリエンタルホテル福岡にて執り行われました。美代子先生は歌に優れ、箏曲歌手としてご活躍され長く筑紫会を牽引されてこられました。
思い起こせば今から50年程前、初代ご宗家筑紫歌都子先生ご逝去の折には、当時、九州在住であった山田宏子大師範が野村正峰代理として、弔辞を読ませていただきました。
 今回は、箏曲正絃社二代家元としてお別れ会に参列し、以前に歌都子先生の名作「高原の賦」「幻の柱」「流れ」などをご教授の折に歌ってくださった思い出から追悼の言葉を筑紫美代子先生へ贈りました。
 会場では終始、故人の演奏録音が流され、大きなスライドに写された遺影に故人を偲ぶひとときでした。
 三代目ご宗家となられる筑紫純子先生の献奏、献花、懇談のひとときには事務局後継の古屋暁美様から昔のお話を伺い、純子先生のお見送りで福岡を後にしました。 

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お別れ会会場


・演奏会続々
 後述の日本三曲協会秋季演奏会、民謡と端唄・蟹江尾八会、国民文化祭かなざわ、杵屋三太郎先生熱田神宮奉納演奏、やっとかめ文化祭、関西作曲家協会作品演奏会、宗次ホールスイーツタイムコンサート~日本の四季~、峰山会お浚い会など、演奏会やイベントが活発になりました。

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関西作曲家協会作品演奏会にて「桜花三章」

 コロナ禍の中で私たちは演奏会という目標を失くし、あらためて演奏の場の有難さを感じました。演奏の機会一回一回を無駄にしないよう、練習に励み皆さまとともに前進したいと思います。
 2025年に箏曲正絃社は創立60周年を迎えます。周年記念の公演をぜひとも盛大に開催したく、これを目標に頑張ってまいります。

 今年も一年、よろしくお願いいたします。

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