【311号】箏と健康と社会貢献と
箏と健康と社会貢献と 二代家元 野村祐子
各地での新作講習会や、正絃社幹部会の研修会での指導のたびに、箏を弾ける有難さを以前にも増して強く感じるようになりました。
あの東日本大震災発生よりこのかた、『このような時に、箏など弾いていてよいものか』と、箏に限らずいろいろな分野の方々が、悩みながらも復興を願って様々なイベントを開催してきました。
趣味を持つことは、マンネリの日常生活のなかで気分転換となり、楽しい刺激です。
門人の中のある方は、「私はもう年齢も高いし、今さら、上手にもならないし、ただお箏を弾けるのが楽しみでいいのです。」と、遠慮して言われるのですが、少しのアドバイスでも上手に弾けると、嬉しい顔をされます。
「兎と亀」演奏は楽しくユニークに
お家に帰られたら、きっとご家族に、「今日は箏が上手く弾けてよかったわ。」などと、にこにこお話しされて、ご家族の団欒に役に立つのではと、勝手に想像しているのですが、このように「人に喜んでもらえ」たら、これはささやかでも社会貢献のひとつになるのでは?
楽しく毎日を過すために、箏を弾いたり、演奏会出演のためには、まず第一に、健康でなければなりません。家族が介護生活で苦労しないために、健康は大切です。
そして、聴く人が心豊かになるような演奏ができ、心豊かな人々が増えたら、心豊かな社会に通じるのではと大きな願いを持っています。皆さんの腕前が少しでも上がり、社会に貢献できるよう、日々のお稽古も、楽しい中に厳しさを込めてまいりたいと思います。
来年は、トリエンナーレ、国民文化祭などの大きな行事が愛知県で開催され、愛知県にとっては経済効果の期待される好時機です。この時流にのって、邦楽発展にもよい風が吹くよう祈っています。
【新刊紹介】
・新作CD発売間近!
8月、お盆休みを返上して、臨場感あるホールで2日間の録音を行いました。
近年の新作「御茶紀行」「七福神宝船」「天女の舞」「きらめく湖から」「夢キラリ」など新曲を準備中。
- 2015.10.05
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