【319号】うたまくら 「見どころ聴きどころ」
見どころ聴きどころ
名古屋市民芸術祭2017参加
野村正峰生誕90周年記念
〝創造〟のDNA―和楽の響き 野村 祐子
公演に先立ち、今回のプログラムの見どころ聴きどころをご紹介しましょう。
司会には、芸能解説に定評のある葛西聖司氏を再度、お招きしました。日本の伝統芸能に造詣深い葛西氏ならではのお話が楽しみのひとつです。
2013野村正峰作品展(しらかわホール)より
若手イケメン尺八家ゲストの見どころ聴きどころは、野村正峰作曲「滄溟」。川村葵山、二代石垣征山、野村幹人の3名による尺八三重奏です。フレッシュな共演で「滄溟」に込められた奥深い世界が、いかに表現されるでしょうか。
左から 野村幹人 二代石垣征山 川村葵山
このメンバーの共演の舞台は初めてですが、彼らの共通点は、人間国宝・故山本邦山門下のトップメンバー5人による尺八グループ「1979」(1979年に結成したことからの命名)を構成する川村泰山、酒井帥山、石垣征山、難波竹山、野村峰山の二世陣。
若き日の尺八「1979」
峰山会尺八演奏会にての「1979」
そして、尺八家ならではの野村峰山作曲による尺八五重奏+十七絃二部の「刀田の伽藍」では、この若手3人に、ベテランの永廣孝山氏と作曲者野村峰山が加わっての競演。
5人の尺八家と十七絃の厚みが織りなすハーモニーは、どのように響くことでしょうか。
後先になりましたが、オープニングは野村正峰作の三絃二重奏「春景八章」。一般的に、三絃だけの合奏曲は少ないのですが、この曲は、各地で頻繁に取り上げられる人気曲です。
また野村正峰作「縁」には、その名のとおり、東北、関東など全国各地からの幹部会員が参加。地域を越え、音楽でご縁が結ばれた会員が、心をひとつに演奏いたします。
人気の芸能解説・葛西聖司さん
野村正峰好みの万葉集を題材とした「逝く春」は、峰山・祐子のデュエットでお届けいたします。
野村正峰三回忌演奏会より峰山・祐子の「旅路」
祐子作品の「鵬よ」は、「鵬の会」(鷲津紀子社中)演奏会を記念して作曲した箏・十七絃三重奏。中国の思想家「荘子」より「逍遙遊」に描かれる鵬が大空に羽ばたく姿を想像し、箏・十七絃のソロ群が活躍するダイナミックな合奏を目指したものです。難度の高い合奏力をお見せすることができるかどうか、精一杯、練習に励んでおります。
「創造のDNA」を三代目として受け継ぐ野村幹人の作品「白銀の神殿」は、神殿シリーズとして「蒼き神殿」「深緑の神殿」に続く第3作。まだこのほかにも作品は数曲発表していますが、箏・三絃・十七絃・尺八の四種の楽器を嗜む幅広さを生かして、創作活動に努めております。何分にも、若い感性による作品の出来映えは、長い眼で暖かく見ていただきたく、よろしくお願いいたします。
しらかわホール
初代家元野村正峰
締めくくりの曲は、昨秋、愛知県で開催の国民文化祭「邦楽の祭典」にてオープニングを祝い作曲した祐子作品「八千代獅子に寄せて~千代の華」。華やかな合奏ながら古曲風に格調高くまとめた祝賀曲で、今回は、DNAの継承を祝いフィナーレ曲としました。
国民文化祭あいち2016「邦楽の祭典」オープニング「千代の華」
全国から参集の選り抜きの幹部会員とともに、野村ファミリー一同、心を合わせ、手を尽くして演奏に臨みたく研鑽に励んでおります。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
野村家一同
- -0001.11.30
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