【322号】うたまくら 音楽は心の栄養 - 正絃社

【322号】うたまくら 音楽は心の栄養

音楽は心の栄養   野 村 祐 子   

 各地での公演やコンサート、講習会、合宿など、正絃社の内外に拘りなく、今年前半の行事がいずれも盛況に運営されて、私の胸の中には楽しい思い出が溜まってまいりましたが、皆様におかれましてはいかがでしょうか。
 少子高齢化、不景気、予想外の事件など、社会のマイナス面が気になる日常ではありますが、邦楽に関わる私たちの周りでは、お稽古を続けていてよかった、と思うことが多くあります。 
 邦楽は、音楽として音感やリズム感を養うだけでなく、人としてのマナーや教養など文化力を育てる情操教育、心の栄養であり、生涯学習であると思います。

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岐阜正絃社定期公演より「逝く春」

 

~楽器の音を出す楽しさ~
 現在、音楽大学では教職の資格を取るために邦楽の授業が必修科目となっています。邦楽をやりたい、やりたくないに拘わらず授業を受けなくてはなりません。ですから、中には興味のない学生もいますが、自分が今までに触れたことのない楽器の音を出すことは、誰しも楽しく感じるようです。「楽器は楽しい」と、まず、好奇心を持つことから始まります。

~お稽古は一人でできる~
先ず、自分で練習すること、これは集中力の鍛練になり、また気分転換にもなります。何か不快なことがあっても、練習に夢中になっていると雑事を忘れます。

~仲間、友人の大切さ~
共通の趣味を持つ友人やお稽古の仲間のおかげで、孤独になりません。一緒にコンサートに出かけたり、励まし合ったり、このようなコミュニティを作ることが、高齢化社会で孤独にならないための現代社会の課題にもなっています。

~歴史、知識を学ぶ~
 ただ練習するだけでなく、その曲の内容や歴史(古典であればなおさら)などの知識を得ることは多く、豊かな教養を身につけることができます。

~相手を敬うこと~
 芸の師、先輩あるいは後輩であっても、芸を学ぶ上で「教えてくださる」ことに感謝の念を持ちます。相手に敬意を払い、思いやりを持つことは、人としての品格の向上になります。

~合奏は協調性を養う~
合奏で大切なことは、相手の音を聞くことです。マイペースで弾くばかりでは、調和のとれた演奏になりません。最初はなかなか相手の音を聞く余裕がなくても、練習を積み重ねると楽しく合奏できるようになります。合奏力はまた、その瞬間的な判断力も育てます。こういったことが、何かの場面での「神対応」に繋がるのかも…。

~目標を持つこと~ 
 コンサートや講習会など、具体的な目標を目指しての練習には情熱が必要で、同時に忍耐力も養われます。好きなことに夢中になると、どんな困難でも苦労が多いほど、やり遂げたときの達成感があり喜びが大きくなります。

~感動すること~
 感動して泣いたり、笑ったりするのは、認知症の予防にもなるとも言われます。感情を表現することは、人と人の重要なコミュニケーションです。音楽で豊かな心を育てましょう。

~健康であること~
 自分も、そして家族も健康でなければ、練習する気持ちにもなれません。練習したい、と思えるのは、心にも(経済的にも)余裕がある時です。練習ができること、それは健康であり、心にゆとりのある生活のバロメーターといえるでしょう。自分も家族も、まず身体を大切に、円満な毎日を願っています。

 

 さて来年は、いよいよ4年に一度の「春の公演」の開催です。長年「春の公演」のホームグラウンドであった名古屋市民会館(日本特殊陶業市民会館)では、老朽化のため名古屋市からの建替え計画が進行していますので、今回がこの市民会館での最後の「春の公演」になります。
広い回り舞台、特製の背景で華やかなスポットライトを浴びるステージ、市民会館での最後の記念の舞台をぜひ、味わってください。

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