【325号】うたまくら 平成最後の春の公演 見どころ聴きどころ
平成最後の春の公演
見どころ聴きどころ 野 村 祐 子
新元号の新しい時代の始まりを目前にして、平成時代の最後となる「春の公演」が近づいてまいりました。最近はとみに、高齢化により各地の伝統芸能が消えている状況が伝えられています。邦楽界においても高齢化、若い世代の邦楽離れは大きな問題で、私たちも新しい時代へ伝統を繋ぐことにしっかりと向き合っていかなくてはならないと思います。
しかし、これに似た状況は、父の時代にもありました。日本が戦争によって荒廃した中で、亡父・正峰は日本文化、邦楽の衰退を嘆き、「もっと若い人が飛びつくような音楽をやらなくては!」と、取り組んだのが新しい曲作りでした。
親しみやすい旋律、心を動かす題材、合奏の楽しさ、演奏しやすい手法でありながら新鮮な演奏法、古来の邦楽の良さとともに新しさのある作曲を目指したからこそ、父の作品は今も全国各地で、普段のお稽古から舞台まで幅広く使われています。各地から送られてくるプログラムには、流派問わず、必ず野村正峰作品が演奏されていることを嬉しく拝見しております。
今回の「春の公演」では、新しい時代へ伝統音楽を語り継ぐことを主眼としまして、古典から現代曲まで心和む作品に加えて、ゲストの若手イケメン演奏家による新作を揃えたプログラムでございます。
2019正絃社「春の公演」
新しい時代へ~語り継ぐ伝統音楽~
日時 平成31年4月20・21日(土・日)
午後2時開演
会場 日本特殊陶業市民会館ビレッジ
ホール(旧名・名古屋市民会館)
ゲスト 葛西聖司(司会)
水野利彦(箏)山村楽乃(舞踊)
川村葵山 二代石垣征山 野村峰山(尺八)ほか
演奏曲 ふるさとの風 鯱の城 回転木馬
近江夢紀行 天女の舞 虹の舞曲
古城の旅人 愛と祈りの調べ
幻想の森 星合の夜に ほか
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