うたまくら - 正絃社

【345号】うたまくら 箏曲正絃社創立60周年を目指して

箏曲正絃社創立60周年を目指して  野 村 祐 子

 

 今から9年前、2015年に迎えた正絃社創立五十周年にあたり、平成27年新年号「うたまくら308号」に創立当時を振り返る次の記事を掲載しました。

『昭和40年新年号の「うたまくら」第38号(編集/野村正峰・平野時子)に、次のように書かれています。
新春を飾る話題
  輝かしき発展を期し教室名改称
    箏曲部は正絃社に
    尺八部は峰友社に
 私どもの教室は、多年「野村箏曲教室」として親しまれ、発展の一途をたどってまいりましたが、門下生のうち教授者として活躍する方も年をおって多くなり、団体名称として統一的な名称をとの要望が、各方面からよせられるようになりましたので、新春を期し、傘下社中全部を抱合した邦楽団体として、「箏曲正絃社」「尺八峰友社」の部門別の名称を誕生させることに決定いたしました。
社中の会員一同も、今年から気分を一新して技をみがき人格を養い、よりすぐれた団体として邦楽界に声価を高めるよう努力しようではありませんか。(後略)
(中略)「正絃社」とともに名称を新たにした「峰友社」とは、当時、野村正峰が指導していた尺八の門人(菊水流・九孔尺八)で、この後に都山流に転じ、さらには現在、野村峰山が率いる「峰山会」へと繋がっています。(後略)

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2015年正絃社創立50周年記念春の公演オープニング「松竹梅」  

 この「うたまくら308号」編集の折、古いうたまくら資料を持ち歩いており、それを読んでみたいという会員があって私は気軽にその場でお貸して、その後返却されず今に至るという失敗談もあるのですが、それはさておき、その4月には「温故育新~古きをたずね、新しきを育む2015正絃社創立50周年記念」と銘打つ「春の公演」を盛大に開催したのでした。
 その折のゲストには芸能解説の葛西聖司氏はじめ水野利彦氏、山田流・山登松和氏、関西の尺八家・永廣孝山、地唄舞の山村楽乃氏らをお迎えし、ファミリーの野村峰山も大活躍する盛大な舞台を展開しました。
あれから早くも、目の前に六十周年がやってまいりました。
 今も影響が残るコロナ禍、社会全体の少子高齢化や世界的な情勢もあり、一般的に芸事の低調が杞憂されていますが、周年を機に正絃社を切り開いた初代野村正峰の足跡を尋ね、日本の心を伝える邦楽の音色を多くの方々に繋ぎたいと願っております。具体的な計画はまだ確定しておりませんが、来年に向けて準備を始めておりますので、正絃社会員の皆様におかれましてはぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

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